ファンタジー・アドベンチャーNetflix映画『フェイフェイと月の冒険』で、グレン・キーン監督が“ファンタジー”を描くための《徹底的なリアルへのこだわり》を明かしている。
本作は、様々な予期せぬ困難にも勇気を持って立ち向かい、夢をあきらめずに生きることの大切さを教えてくれる、勇気と感動の壮大なファンタジー・アドベンチャー。監督を務めるのは、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオで40年近くにわたって第一線で活躍し続けてきたアニメーション界の巨匠、グレン・キーン。『リトル・マーメイド』では主人公アリエルのキャラクターデザイナー、『美女と野獣』『アラジン』『ターザン』などではスーパーバイジング・アニメーター、そして『塔の上のラプンツェル』では製作総指揮も務めた。共同監督を務めるのは、初監督作となった『紙ひこうき』で第85回アカデミー賞短編アニメーション賞を受賞したジョン・カース。そしてフェイフェイの声を務めるのはキャシー・アン。さらに、ミュージカル『ハミルトン』で2016年のトニー賞ミュージカル主演女優賞へのノミネート歴を誇るフィリッパ・スーら実力派も参加。
40年ものディズニー経験を誇るキーン監督が、観客をファンタジー世界に引き込むための神髄を、〈キャラクターの細かい描写や身体の動きを徹底的にリアルに描く〉ことだと明かし、その手法を使い、主人公の少女フェイフェイを生き生きとしたキャラクターとして生み出していたことが明らかになった。
長きにわたって世界中で愛されるキャラクターを多数手掛け、ディズニー・アニメーションの歴史に名を刻むレジェンドのキーン監督は、「観る人たちが信じられるような世界を作るには、現実的な場所から幻想的な世界に旅をさせます。まずはリアルなものから始める必要があるんです」と語り、観客を“ファンタジー世界”へと引き込むためには、むしろ現実味のあるアニメーションを描くことだと明かす。初の長編監督作となる本作においても、その真髄が活かされており、主人公のフェイフェイの描写について、「多感な青春を過ごす中で、自ら髪を無造作に切ってしまうかもしれないですよね。また、袖が手を覆うことで安心感を得ているのかもしれません。一方で、彼女はエネルギッシュで前向きな人物なので、ヘアバンドで髪が顔にかからないようにしているかもしれません」と語り、キャラクターの複雑な内面が外見を通して伝わるよう、細かい描写にこだわっていたことを打ち明けた。
フェイフェイは、幼い頃から“月には女神がいる”という伝説を、周囲から否定されようと信じ続け、ついには自らの手で宇宙船までも作り上げて月へと出発する行動力を持つ、生き生きとしたキャラクターだ。続けて、最も注力した部分について、「歌唱シーンを美しく魅せるには、口の動きが重要です。口角や上唇、下唇の動きにこだわりました。この細かい描写を見られるのはこの映画だけだと思います」と、ただならぬ思い入れを込めた綿密な描写についても自信を覗かせた。
キーン監督とともにアニメーションを作り上げたキャラクターアニメーション責任者のセバスチャン・カピジムパンガも、「彼は、肩と腰の角度を細かく調整するなど、解剖学的視点に基づいて、可能な限り現実的なポーズを描きあげることに注力したんです」と、キーン監督のこだわりについて明かした。キーン監督が、観客が感情移入できるためのリアリティを追及するが故の細やかなこだわりの数々を堪能できる作品となった本作に注目だ。
Netflix映画『フェイフェイと月の冒険』は2020年10月23日(金)より独占配信開始!