第33回東京国際映画祭のクロージングセレモニーが11月9日(月)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、クロージング作品『HOKUSAI』の橋本一監督、柳楽優弥、田中泯、企画・脚本を担当した河原れんが登壇した。

10月31日(土)より開催されてきた第33回東京国際映画祭が9日(月)に閉幕、クロージングセレモニーにはクロージング作品『HOKUSAI』からゲストが登壇した。『HOKUSAI』は、“あの波”誕生に秘められた、自由への闘いの物語。表現者たちが抑圧されていた江戸時代。その圧政に筆で抗い、世界を変えた男がいた。希代の絵師、葛飾北斎である。ゴッホやモネ、そして世界中のアーティストに衝撃を与えた北斎。その生き様とはいかなるものだったのか?そして“あの波”が誕生した瞬間とは?常識に捉われず生きた北斎の、誰も知らない物語が今、明かされる。

劇中では、青年・壮年期の葛飾北斎を柳楽が、老年期の葛飾北斎を田中が演じる。柳楽は「世界的に有名な日本人のアーティストを、時代劇で演じるのが初めてだったので、やりがいのある最高な時間を過ごせました」と笑顔を見せ、田中は「とにかくひたすら光栄な時間を過ごさせていただきました。納得する言葉ばかりを、少ない言葉ではあったのですがしゃべらせていただいて幸せでした」と挨拶した。

ダンサー・舞踊家として活躍する田中だが、“表現者として通ずるところは?”という質問に「難しい(笑)」と笑いつつ、「北斎を自分の身体の中に引き受けることが僕にとってこんなに光栄なことはありませんでした。私の口から出る言葉も、私の身体の中で育ちます。ほとんど齟齬のない言葉を台本として、セリフとしていただきました。ダンサーとしても最大の喜びを味わいつつ撮影の現場を過ごさせていただきました」と語り、「こんなに光栄なことはありません」と改めて感謝の気持ちを語った。

また、柳楽は「2020年が大きな転換期として感じるんですけど、そういう中でも何かを目指す情熱みたいなものを維持することの追い風になってくれたらいいなという気持ちがあります。日本映画が大好きなので、負けずに盛り上げていきたいなと、僕も俳優として思ってこれからがんばります」と本作にかける思いを語った。

最後に橋本監督は「何回転んでも立ち上がって前に進むことができるのが人間という生き物だと思います。どんなことがあっても立ち上がれる、その思いを忘れずに見ていただければと思います」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

映画『HOKUSAI』は2020年5月29日(金)より全国で公開!
監督:橋本一
出演:柳楽優弥、田中泯、玉木宏、瀧本美織、津田寛治、青木崇高、辻本祐樹、浦上晟周、芋生悠、河原れん、城桧吏、永山瑛太/阿部寛 
配給:S・D・P
©2020 HOKUSAI MOVIE

第33回東京国際映画祭は2020年10月31日(土)~11月9日(月)に六本木ヒルズ、EXシアター六本木ほかで開催!
©2020 TIFF