32歳で命を絶った“非正規歌人”萩原慎一郎による歌集を映画化した『滑走路』の主題歌MVが解禁された。
いじめや非正規雇用といった自らの経験を基に短歌を発表し続けた歌人・萩原慎一郎による「歌集滑走路」。あとがきを入稿した翌月、32歳の若さにして命を絶ち、デビュー作にして遺作となった一冊の歌集は、苦難の中それでも生きる希望を歌い、苦悩を抱える人へのエールとして多くの共感を呼び、自費出版がメインの歌集において異例のベストセラーを記録。原作歌集をモチーフにオリジナルストーリーとして紡がれる本作。水川あさみが扮する翠、浅香航大扮する若手官僚・鷹野、そして新人・寄川歌太が扮する中学二年生の学級委員長。それぞれ悩みを抱えて生きる3人の人生が、やがて一つの道へと繋がっていく―。非正規、いじめ、過労、キャリア、自死、家族現代を生きる若い世代が抱える不安や葛藤、それでもなお希望を求めてもがき生きる姿を鮮烈に描き出す。
本作の主題歌を務めるのは、独自の世界観で多くの人々を魅了するSano ibuki。もともと原作歌集を読み込んでいたSanoが短歌と映画のオリジナルストーリーの両方からイメージを膨らまし書き下ろした新曲「紙飛行機」が11月11日(水)より配信リリースされる。今回、本作のキャスト&スタッフが再集結し制作されたミュージックビデオが解禁された。
ミュージックビデオを手掛けたのは、これが初のMV制作となった本作の監督でもある大庭功睦。Sanoと何度もディスカッションを重ね、映画の世界観を継承したミュージックビデオが完成。メインキャストには、学級委員長役の寄川歌太とその同級生・天野を演じた木下渓を起用し、廃校となった中学校のロケーションにて撮影を敢行。映画本編とは別の世界線を想起させるストーリーが展開され、クライマックスには映画と主題歌に込められた想いを表したかのような圧巻のダンスシーンが待っている。大きく手を振りエールを送りつつも、羨ましさと悔しさ入り混じる葛藤を描いた映画の世界観に寄り添う歌詞にも注目いただきたい。
大庭監督は「いち音楽ファンとして、「紙飛行機」という曲をすっかり好きになってしまった。Sanoさんが何かを見詰める横顔を、うまく撮れたと自負しています」と映像の出来に自信をのぞかせており、キャストの二人も「MVに関わらせていただけることになって、本当に嬉しく思いました」(寄川)、「実際にお会いしたSanoさんは
歌と同じように優しくて静かな情熱にあふれた印象でした」(木下)とコメントしている。
主題歌MV
映画『滑走路』は2020年11月20日(金)より全国で公開!
監督:大庭功睦
出演:水川あさみ、浅香航大、寄川歌太、木下渓、池田優斗、吉村界人、染谷将太、水橋研二、坂井真紀
配給:KADOKAWA
©2020「滑走路」製作委員会