『きみの瞳(め)が問いかけている』のティーチインイベントが11月20日(金)に新宿バルト9で行われ、三木孝浩監督が登壇した。

恋愛映画史を涙で塗り替えるほど、純度の高い「無償の愛」を描いた“純愛”映画である本作。W主演を務める吉高由里子が演じるのは不慮の事故で視力と家族を同時に失う悲劇に見舞われながらも、明るく健気に生きようとする女性・明香里、横浜流星はかつて将来を有望視されていたキックボクサーだったものの、過去の事件によって心を閉ざし、今は日雇いバイトで食いつなぐ毎日を送る無口な青年・塁を演じる。ひょんな勘違いから出逢った二人は、次第に惹かれあい、心を開くが、塁は自分が起こした過去の事件と明香里の失明にある驚愕の因果を知り、彼女の目の手術代を稼ぐため、高額な賞金が賭けられた不法な賭博試合のリングに再び立つことを決意する─。話題の恋愛映画を続々手掛ける三木孝浩監督が描きあげる。

公開約4週間で40回、60回を超える回数を鑑賞しているファンもいるという本作。イベントでは、本作を何度も鑑賞したファンから大九の質問が寄せられた。“吉高の凄いところは?”という質問に、三木監督は「吉高さんはパブリックイメージでは、いつも明るく楽しいキャラクターというイメージかもしれないけど、それをわざとやっている部分があって、現場を和ませることを気にしてくれてるんです。スタッフをよく見て、声をかけて明るく和ませてくれる」と称賛。一方で、本作で初めて一緒に仕事をした横浜については「1本、1本にかける集中力がすごくて、鬼気迫るものがありました。セリフの間違いとか芝居のミスによるNGはほとんどなかった」とその集中力の高さと熱意をたたえた。

イベントではサプライズで吉高から質問が到着。「私は恋愛映画が恥ずかしいのですが、三木監督の恥ずかしいものは何ですか?」という吉高の質問に三木監督は本作のパンフレットの中の自身の写真が「恥ずかしかった(苦笑)」と告白。映画のパンフレットでは、監督が現場で演出している様子を捉えた写真が使用されることが多々あるが、三木監督は「演出の時は、無意識にキャラクターの気分で、その顔を作っていることが多い」とのことで「(横浜さんに対して演出しながら)塁の顔を触っている時は、明香里の気分でいるので、改めてその写真を見ると恥ずかしいです・・・」と照れくさそうに語った。

さらに、横浜からは「恋愛映画の名手と呼ばれる三木監督ですが、実際に奥様にプロポーズした台詞が何だったのか聞いてみたいです」と質問が。三木監督は「そんなの個人的に聞いてくれればいいのに」と苦笑しつつも「すごくシンプルで『これからもずっと一緒にいてください』と言ったら、『いいです』とすごく軽い感じの返事で、『おや? もしかしてプロポーズと気づいてないのか?』と聞いてみたら『え? いまのプロポーズ?』って(苦笑)」と明かした。

横浜が演じる“塁”の名前が日本人NBAプレイヤーの八村塁からとられていることは副音声上映で明かされているが、吉高の“明香里”という名前の由来を聞かれると「(明香里の)明るいキャラクターを名前からも出したくて、“あかり”にしたんですが、そこに“匂い”という要素、目が見えない分、匂いも感じ取ろうとしているというのを文字でも出したかった」と明かした。

横浜のキックボクシングのアクションが光る本作だが“監督自身がしびれた格闘シーンは?”という質問には、格闘ファンとしての血が騒ぐのか、興奮気味に「マニアックですが、塁がハイキックを2連発するところ。普通の格闘家でも、軸がぶれてしまうところで、あんなきれいなハイキックを2連発。格闘ファンとしてはアガるところです!」と熱く解説した。最後に三木監督は「本当にみなさんの応援のおかげで、新作が次々と公開される中、こうして満席にしていただいています」と改めてファンの支えへの感謝を口にした。

映画『きみの瞳が問いかけている』は全国で公開中!
監督:三木孝浩
出演:吉高由里子、横浜流星、やべきょうすけ、田山涼成、野間口徹、岡田義徳/町田啓太/風吹ジュン
配給:ギャガ
©2020「きみの瞳が問いかけている」製作委員会
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