『AWAKE』の初日舞台挨拶が12月25日(金)に池袋HUMAXシネマズで行われ、吉沢亮、若葉竜也、落合モトキ、馬場ふみか、山田篤宏監督が登壇した。
本作は、2015年に行われ、当時ネットユーザーや将棋ファンの間でかなりの物議を醸した棋士VSコンピュータの対局に着想を得て山田篤宏監督が書き下ろした完全オリジナルストーリー。天才に敗れ棋士になる夢をあきらめた主人公が冴えない大学生活を送っていたある日、ふとしたことで出会ったAI将棋のプログラミングに新たな夢を見出し、かつてのライバルと再戦を果たす青春物語。主演に、2021年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」主演が決定し、飛ぶ鳥を落とす勢いの俳優・吉沢亮。共演に、31歳にして芸歴30年を誇る若手実力派・若葉竜也、ほかに落合モトキ、寛一郎、馬場ふみか、川島潤哉、永岡佑、森矢カンナ、中村まことらが共演する。脚本・監督は、山田篤宏。ニューヨーク大学で映画を学び、これまで乃木坂46のミュージックビデオや短編映画で実績を積んできた40歳の俊英が満を持して商業映画デビューを果たす。
棋士になる夢を諦めた最強将棋ソフト開発者・英一役を演じた吉沢は「演じるにあたり外見の変化を意識。体重を増やしてみたり、将棋以外何もないような印象をつけたかった」と熱のこもった役作りを明かし、「将棋映画ではあるけれど、人間の成長やライバルと交差する話。誰もが感動する普遍的な映画で、シンプルに泣けます」と本作について語った。
英一のライバルで人並み外れた強さを誇る棋士・陸役の若葉も「将棋がメインではなく、あくまで青春映画。そこには人がいて、挫折があって、夢がある」と人間ドラマとしての面白味を強調。英一の先輩で変わり者のプログラマー・磯野役の落合は、初共演の吉沢のファンといい「綺麗な顔をされている。そしていい演技もされている」と吉沢について熱く語り、磯野の妹・栞役の馬場は「撮影中の空気が素敵でした。(吉沢と落合の演技は)目の前で見ていて圧倒された。私はその中で優しく柔らかく存在できればいいなと思っていました」と撮影を振り返った。
また、地方ロケでのエピソードとして落合は「みんなでゴハンを食べて夜の10時過ぎくらいにホテルに帰ったら、(吉沢が)吸い込まれるようにインスタントラーメンの自販機をポチっとして『じゃあ!』みたいに部屋に戻った。そんな姿を見たときに、この人も人間なんだ、若いなと思った」と夜食に走る吉沢の姿を暴露。すると当の吉沢は「役作りです」と照れたように弁解し、「ラーメンとビール2本を寝る30分前にあえて体に流し込んで寝る生活をしていた。次の日の体調の悪さはハンパなかったけれど…」と役にかけるストイックすぎる一面を告白した。
本作で第1回木下グループ新人監督賞グランプリを受賞した山田監督は「初日を迎えたという現実感がない。いまだにホント?という気持ち」と夢にまで見た商業映画デビュー作の公開に信じられない様子。吉沢らキャストについては「みんな真面目で、それぞれアプローチが上手。そもそも上手な人しか選んでいないので」と全幅の信頼を寄せ、「俳優が褒められることがこんなに嬉しいことだと初めて気づいた」と感慨深げに語った。
もう少しで新年を迎えることにちなんで、“2021年にチャレンジしたいこと”を聞かれた登壇者たち。馬場は「幼い頃にやっていたバレエ」、若葉は「できることならばチャレンジはしたくない!」とニヤリ。落合は「自粛期間中に結成したユニットで芝居をしたい」と抱負を述べた。一方、主演の吉沢は「僕がどうこうできる話ではないけれど…」と前置きしつつ「来年は仕事のないクリスマスを過ごしたい。もちろん今日は今日で素晴らしいですが、仕事のないクリスマスも素晴らしい」と多忙ならではの嬉しい悲鳴を上げていた。
最後に吉沢は「この映画は、個人的に今まで自分が出演してきた作品の中でもかなり好きな作品です。将棋の世界は特に勝ち負けがはっきりしますが、それまでのプロセスも大事。この映画を通して、挫折したり努力したりしたこれまでの自分を褒めてあげたい」と作品への思い入れを口にしていた。
映画『AWAKE』は全国で公開中!
監督・脚本:山田篤宏
出演:吉沢亮、若葉竜也/落合モトキ、寛一郎/馬場ふみか、川島潤哉、永岡佑、森矢カンナ、中村まこと
配給:キノフィルムズ
©2019『AWAKE』フィルムパートナーズ