イギリスの文豪ディケンズ半自伝的傑作小説を『スターリンの葬送狂騒曲』の鬼才アーマンド・イアヌッチ監督が映画化したデヴ・パテル主演映画『どん底作家の人生に幸あれ!』の監督から日本公開に向けたメッセージ映像と本編冒頭映像が解禁された。

原作は19世紀イギリスの国民的作家で、2020年が没後150年にあたるチャールズ・ディケンズの代表作「デイヴィッド・コパフィールド」。文豪自ら「著作の中で一番好きだ」と公言していたこの小説は、ディケンズの自伝的要素が強いことでも有名で世代を問わず世界中から愛されている。メガホンをとったのは、『スターリンの葬送狂騒曲』のアーマンド・イアヌッチ監督。チャールズ・ディケンズの長年のファンであるイアヌッチ監督は「ディケンズの第8作目である『デイヴィッド・コパフィールド』を読み返したとき、これは現代に通じる物語だと感じた」と映画化を決意。人間の不屈の精神を讃える名作をコミカルによみがえらせ、国境がなくなりつつある現代に合わせ、世界中の演劇界や映画界から色とりどりの豪華キャストを迎えた。また、映画批評サイトRotten Tomatoesで92%フレッシュ(11月2日現在)と世界中から支持を得ている作品となっている。

今回解禁されたメッセージ映像で、イアヌッチ監督は日本の観客に向けて「皆さん全員にお越しいただけますように!」と笑顔でメッセージを贈った。また、本作冒頭映像は拍手で観衆に迎えられた主人公デイヴィッドがステージに上がり「ありがとう。僕は自分の物語の主人公になれるか、誰かにその座を奪われるのか」とスピーチし、そして「ご覧に入れよう」という言葉をきっかけに、舞台は一気に彼が生まれた”カラスの家“へ。そこには、陣痛で「痛い!」と叫び暴れるデイヴィッドの母の姿と、家政婦ペゴティが慌てて準備をする様子が。

それを窓から奇妙な顔で覗きこんでいたのが、ティルダ・スウィントン演じる伯母のトロットウッド夫人。のちにデイヴィッドを助けることになる伯母は苦しむ母にお構いなしに家へ上がり込む。自分が生まれる瞬間を大人になったデイヴィッドが見守るという展開に、観客もデイヴィッドの物語へ誘われていく演出が印象的なシーンとなっている。チャールズ・ディケンズの長年のファンであるイアヌッチ監督は「原作が訴えかけていたのが、デイヴィッドが自分は何者なのかと悩み、運命の浮き沈みのなかで、いろいろな人からいろいろな呼び方をされ、居場所を見つけられずにいる状態から、執筆活動を通して自尊心を見出すまでの過程。そしてそれは現代人なら誰もが抱える感覚ではないか」と語っている。

監督メッセージ&本編冒頭映像

映画『どん底作家の人生に幸あれ!』は2021年1月22日(金)TOHOシネマズ シャンテ、シネマカリテほか全国で順次公開!
監督:アーマンド・イアヌッチ
出演:デヴ・パテル、ピーター・キャパルディ、ヒュー・ローリー、ティルダ・スウィントン、ベン・ウィショー
配給:ギャガ
©2019 Dickensian Pictures, LLC and Channel Four Television Corporation

【文/片岡由布子】