老いの喪失と親子の愛をテーマにした心揺さぶる感動作『The Father(原題)』が『ファーザー』の邦題で5月に公開されることが決定した。

世界30か国以上で上演された傑作舞台を映画化した本作は、老いによる喪失と親子の愛を見つめた心揺さぶる感動作。昨年12月31日に83歳を迎えた名優アンソニー・ホプキンスが監督が当て書きしたというこの役で自身と同名、同年齢、同誕生日の認知症の父親を演じ、「自分の父をそのまま演じた」と語っている。

その演技は、2020年のサンダンス映画祭で初お披露目されるや、「圧倒的実力で早くも2021年の賞レースに躍り出た。彼を凌駕する俳優はいないだろう。」(THE GUARDIAN)、「彼の代表作の1つとして歴史に残るだろう。」(THE HOLLYWOOD REPORTER)と喝采を浴び、有名批評サイトRotten Tomatoesでは100%の満足度を記録(1月12日現在)しており、早くも多数のメディアがホプキンスをオスカー大本命として太鼓判を推している。

年齢と共に誰もが経験する喪失と親子の愛を、記憶や時間が混迷していく父の視点で描くという、これまでにない画期的な映画体験は、迷宮に足を踏み入れていくような戸惑いと、愛する家族が自身を忘れてしまう切なさ、人間味から滲み出るユーモアなど、様々な感情を重層的に呼び起こしながら、最後には観客を思わぬ感動の境地へと連れていく。誰にとっても他人事ではない、老いることへの不安や、関係性が変わっても逃れることのできない親子の愛情を描いた極上の感動作に仕上がっている。

この物語を手がけたのは、ロンドンのタイムズ紙が「現代において最も心躍る劇作家」であると謳う、フランス人のフロリアン・ゼレール。原作である舞台は、フランス演劇界最高位のモリエール賞で脚本賞を受賞し、パリ、ロンドン、ニューヨークなど世界30か国以上で上演。日本では2019年に「Le Père 父」のタイトルで、橋爪功、若村麻由美出演で東京芸術劇場他にて上演され大きな話題となった。今回の映画化にあたっては、ゼレール自身が長編初監督作としてメガホンをとり、アカデミー賞受賞歴を持つ脚本家クリストファー・ハンプトンが共同脚本を務めた。

アカデミー賞前哨戦となる賞レースでは、早くもボストン映画批評家協会賞、フロリダ映画批評家協会賞でアンソニー・ホプキンスが主演男優賞を受賞しているほか、4つの受賞、41のノミネート(1月12日現在)を果たしている。

映画『ファーザー』は2021年5月よりTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開!
監督:フロリアン・ゼレール
出演:アンソニー・ホプキンス、オリヴィア・コールマン、マーク・ゲイティス、イモージェン・プーツ、ルーファス・シーウェル、オリヴィア・ウィリアムズ
配給:ショウゲート
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