深川麻衣主演映画『おもいで写眞』の熊澤尚人監督が、“映画を語る”配信番組「活弁シネマ倶楽部」に初登場し、本作について語った。

『虹の女神』、『君に届け』などのヒット作品に加え、近年『ユリゴコロ』、『ごっこ』など人間の深層心理に肉簿した作品で新たな境地を見出した熊澤尚人監督が「人が生きる豊かさと年を重ねる美しさ」を繊細に紡いだ小説「おもいで写眞」(幻冬舎文庫)を映画化した本作。主演は『パンとバスと2度目のハツコイ』以来の映画主演作となる深川麻衣。共演には、深川麻衣と初タッグとなる高良健吾のほか、香里奈、井浦新などの実力派が揃い、さらに、古谷一行や吉行和子など、日本を代表する俳優陣が出演する。

今回、“映画を語る”配信番組「活弁シネマ倶楽部」に、本作の熊澤尚人監督が初登場。テンカラット25周年企画の作品として製作された本作の企画の成り立ちや、深川をはじめとする俳優陣との魅力的な現場について語った。唯一の家族であった祖母を亡くし、夢にも破れ、東京から富山へと帰ってきた結子が、祖母の遺影がピンボケだったことに悔しい思いをしたことからはじまる物語。町役場で働く幼なじみの一郎から、“お年寄りの遺影写真を撮る仕事”を依頼された彼女が、地域の人々と交流する中で成長していくさまが描かれている。主演の結子役に深川麻衣、一郎役に高良健吾。さらに、香里奈、井浦新、古谷一行、吉行和子らが脇を固め、心温まる物語に彩りと強度を与えている。

「いまの環境下だからこそ、すごく胸に迫るものがありました。そして、そっと背中を押してくれる作品だと思いました」と本作の感想を述べる折田。そんなオリジナル作品だが、監督が最初に脚本にしたのは9年前のことらしい。「『面白いね』と言ってくださる方は結構いたのですが、やはりオリジナル映画となると、そう上手くはいきません。それから他の作品と関わりながら、時間をかけてこの物語の推敲を重ねました。そして、いざ企画が動き始めたときに、『この物語の主演に深川さんはいかがでしょうか?』とテンカラットさんに持ち込んだんです」と熊澤監督。テンカラット25周年企画の作品だが、これはたまたまなのだという。誰もの心を温かくするであろう物語は、周年行事としてもピッタリだ。監督は、オリジナル映画を手がけることの困難と、物事が好転するときは一気に動き出すことについても述べている。

そんな“決め打ち”で主演を務めた深川の魅力について「なぜ深川さん主演で撮りたかったのですか?」と折田が尋ねると、「深川さんとは演技ワークショップで知り合ったのですが、彼女からはすごく芯の強さを感じていました。この物語の主人公の結子は、自分の中に確固たるものがあって、それは絶対に譲れないというキャラクターです。これを深川さんなら表現してくれるだろうなと思っていました」と熊澤監督は語り、現場でのやり取りの様子も振り返っている。

そして、結子の相手役を務めた高良とは、念願叶っての映画作りになったのだという。「『ハリヨの夏』で彼を知ってから、一緒に映画を作りたいとずっと思っていました。そこで今回、まず深川さんの出演が決まった際に、『相手役はぜひ高良くんで』と畳み掛けるようにお願いしました(笑)」と語る監督。「トガッた役を高良くんは多く演じている印象がありますが、ソフトな役にもハマりますよね。この現場でも、ハマりまくってました」と続けている。

さらに熊澤監督は、オール富山ロケとなった理由や、富山の魅力、また小説版『おもいで写眞』についても語っている。

「活弁シネマ倶楽部」『おもいで写眞』熊澤尚人監督

映画『おもいで写眞』は全国で公開中!
監督:熊澤尚人
出演:深川麻衣、高良健吾、香里奈、井浦新、古谷一行/吉行和子
配給:イオンエンターテイメント
© 「おもいで写眞」製作委員会