『ヤクザと家族 The Family』の初日舞台挨拶が1月29日(金)に都内で行われ、綾野剛、舘ひろし、磯村勇斗、小宮山莉渚、藤井道人監督が登壇した。

本作は、1999年、2005年、2019年と変わりゆく時代に、ヤクザという生き方を選んだ男と、彼を取り巻く人々を、抗争ではなく、家族の視点で描いた壮大なクロニクル(年代記)。“組織=ファミリー”と“自らの家族”の間で揺れ動き、時代の波に流されながら激動の20年を生きた男が抱える家族への愛、様々な問題をはらみ、反社会勢力として徹底的な排除に追い込まれた“ヤクザ”を描く。少年期に柴咲組組長の危機を救ったことからヤクザの世界へ足を踏み入れた男・山本賢治役に今回初のヤクザ役となる綾野剛。綾野演じる身寄りのない孤独な少年・山本に手を差し伸べ、“家族”という居場所を与えた柴咲組組長・柴咲博を、ヤクザ役は43年ぶりとなる舘ひろしが演じる。

冒頭で「(無事初日を)迎えられましたね」と感慨深げに挨拶した綾野。周囲の反響もいいようだが「実感は逆にない」という綾野は「自分自身の集大成であることは間違いないし、最愛の作品」と本作への思いを語った。その綾野は、この日は舘からもらったというスーツを着用して登壇。劇中とは違う姿の綾野を見た、娘役の小宮山は「一言でしか言えないんですけど、かっこいいしかないです」と笑顔を見せ、舘も「僕が着ているより全然かっこいい(笑)」とべた褒めだった。

綾野から磯村への“継承”という面も見せる本作だが、「綾野剛さんと過ごしてきた時間がちゃんと作られていなかったら、シーンができあがらなかった」と綾野との時間を振り返りつつ、綾野については「本当にチャーミングなんです。兄貴です、本当に」と慕っている様子をうかがわせた。また、本作で映画デビューを飾った小宮山は「緊張していて、まずはセリフを覚えようとしか考えていなかったんですけど、『自然体でいてね』と言われて緊張がほぐれてリラックスして撮影ができました」と綾野と藤井監督の言葉に救われたことを明かした。

イベントでは、1月26日に39歳の誕生日を迎えた綾野を祝して、ケーキの形をした花束が贈られ、「素直にうれしい、幸せです」と満面の笑みを浮かべた綾野は、最後に「いろんな作品が手と手を合わせて、心の疲弊を少しでも止められるような映画を届けたいとみんな思っています。いつか許された日が来たときには、自分からみなさんに会いに行きます。お目にかかれる日を楽しみにしています」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

映画『ヤクザと家族 The Family』は2021年1月29日(金)より全国で公開!
監督・脚本:藤井道人
出演:綾野剛、尾野真千子、北村有起哉、市原隼人、磯村勇斗、菅田俊、康すおん、二ノ宮隆太郎、駿河太郎、岩松了、豊原功補/寺島しのぶ、舘ひろし
配給:スターサンズ/KADOKAWA
© 2021『ヤクザと家族 The Family』製作委員会