『名も無き世界のエンドロール』の公開記念舞台挨拶が1月30日(土)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、岩田剛典、新田真剣佑、山田杏奈、中村アン、佐藤祐市監督が登壇した。

問題のある家庭で、淋しさを抱えて育ったキダ(岩田剛典)とマコト(新田真剣佑)。そこへ同じ境遇の転校生・ヨッチもまじわり、少年期から成人まで3人は支え合いながら生きてきた。だがある時、ヨッチは2人の前から突然消えてしまう。それから10年もの月日が流れ、キダとマコトは表と裏それぞれの世界を、死に物狂いでのし上がっていた。全ては、世界の片隅で生きてきた彼らとは住む世界の異なる「ある女性」にプロポーズをするため。しかし、実はそれは日本中をも巻き込んだ、ある壮大な計画だった。ラスト20分、想像を絶する衝撃のエンドロールが幕を開ける―。行成薫による同名傑作小説を映画化した本作。岩田剛典と新田真剣佑が表裏一体のバディを演じる。

完成した本作を始めてみた際には「第一声がなかなかでなかった」という中村。同じタイミングで見た岩田は「アンちゃんと杏奈ちゃんと同じ回に見ていたので、二人の顔が印象的でした」と振り返った。そんな3人を見た佐藤監督は「(中村が)『私ってあんな怒り方するんですね』って。自分が怒ってる顔見ないですもんね」と明かすと、山田も「何とも言えない空気になった」としみじみと振り返った。

岩田は「脚本を読ませていただいたときからおもしろいと思っていたんですけど、初号(試写)を見てやっぱりおもしろいなという感想。一人一人違う人生を歩まれていると思いますが、大切な方とか大切にしている感情は環境が変わっても変わらない。人生を見つめ返すきっかけにもなる、そういうメッセージも含まれているのかなと感じました」と、本作への思いを明かした。

一方で、3人とは別のタイミングで見た新田は「個人的にすごく好きなジャンル。2回見たんです。そんなことって普通ない」と明かし、「一度(脚本を読んで)分かっているんですけど、映像で見るとまた違っていて、自分の想像を超えるシーンがあった」と語った。

劇中では、“ある壮大な計画”に向けて話が展開されるが、佐藤監督は岩田と新田について「ものすごい集中力だと思う。何テイクやってもクオリティが下がらない。実はいくつかのテイクを混ぜていて」とあるシーンでは、複数のテイクを編集で織り交ぜていることを明かしたが、これに新田は「そうなんですね」と驚いていた。

また、佐藤監督は「こういう状況の中で公開できたことがうれしいです」と感謝の言葉を口にし、「『ヤクザと家族』とか『花束のような恋をした』とか、期せずして絆とか人との関りを大事に(するというテーマが)3作品ともあって。こういうなかなか人と顔を合わせて話せない時代に、さまざまな絆を描いた映画が3本同時公開になったのは感慨深い思いがあります」。みんな映画館来てねって大きく言えないんだけど、がんばりたい」と自身の気持ちを明かした。

最後に岩田は「二回目見るとまた違います。仕掛けがたくさんある作品です。“ラスト20分の真実”というキャッチコピーがありますが、いったん忘れて映画をご覧になっていただきたいです。どんでん返し物のサスペンスではなく、切ないラブストーリー、ヒューマンドラマだと思っています」と話し、続けて「(同日に)公開された3本の映画、『ヤクザと家族』、『花束みたいな恋をした』、そして『名も無き世界のエンドロール』、この3つをぜひともセットでご覧いただきたいと思います。映画の時間が、みなさんにとって少しでも安らぎのひと時になってくれたらと思います。言いづらいですけど、お時間を作って、劇場に遊びに来てください」と同日に公開された作品を含めて、本作をアピールした。

【写真・文/編集部】

映画『名も無き世界のエンドロール』は全国で公開中!
監督:佐藤祐市
出演:岩田剛典、新田真剣佑、山田杏奈、中村アン/石丸謙二郎、大友康平、柄本明
配給:エイベックス・ピクチャーズ
©行成薫/集英社 ©映画「名も無き世界のエンドロール」製作委員会