農業で成功することを夢見てアメリカ南部に移住してきた韓国人一家を描く『ミナリ』の予告映像とポスタービジュアルが解禁された。
主人公は、韓国出身の移民の一家。父親は農業で成功したいと夢見てアメリカ南部のアーカンソー州の大地に広大な土地を買うが、現実は厳しく、一家には様々な困難と予想もしない事件が降りかかる。父親・ジェイコブに役にはスティーヴン・ユァン。監督は、米国有力映画メディア「インディワイア」で「今年最高の監督10人」に選ばれたリー・アイザック・チョン。新海誠監督の『君の名は。』のハリウッド版の監督として抜擢された大注目の新鋭だ。「ミナリ」とは、韓国の芹(セリ)。水辺に育ち、独特の香りと歯ごたえに特徴があるが、2度目の収穫のほうがおいしいとされている。成長した子供世代の幸せを願う親の気持ちをこめたダブルミーニングのタイトルだ。
今回解禁された予告映像は、一家がアーカンソー州に移住してくるシーンから始まる。雑草だらけの荒野、打ち捨てられたようなトレーラーハウスを自慢げに披露する父親のジェイコブ(スティーヴン・ユァン)の傍ら、不安と不満顔の母親、モニカ(ハン・イェリ)。農業での成功を夢見るジェイコブの満足げな笑みとは対照的に、モニカは、病院もない土地での生活を勝手に決めてしまった夫に納得いかない様子。明るくも不思議なトーンの音楽と、白人ばかりの教会で一家の居心地の悪そうな様子が、新生活への不安と期待が混ざり合う彼らの複雑な気持ちを演出している。
一方で、子どもたちの関心は、一緒に住むことになった祖母(ユン・ヨジョン)について。文字も読めず、毒舌家で破天荒な祖母に戸惑う姉弟。しかし本作のタイトルでもある、「雑草みたいに強い」と祖母が教えてくれた“ミナリ(セリ)”を通じて絆を深めていく繊細な描写が予告映像からも垣間見え、A24ならではの“豊かなドラマ性”に期待が高まる。
さらには、「子どもたちに成功した姿を見せてやりたい」と願うジェイコブと、子どもたちの安全な暮らしを願うモニカが、激しくもぶつかり合いながらも、家族として逞しく成長していく様子が映し出される。しかし、「今日が終わる。また明日がくるーー。」という優しいナレーションから一転、禍々しい炎をあげて暗闇に燃えあがる小屋のカットで映像が終わってしまう。一体、彼らに何が起こったのかーー。公開が待ち遠しい展開となっている。
予告映像
映画『ミナリ』は2021年3月19日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開!
脚本・監督:リー・アイザック・チョン
出演:スティーヴン・ユァン、ハン・イェリ、ユン・ヨジョン、ウィル・パットン、スコット・ヘイズ
配給:ギャガ
Photo by Melissa Lukenbaugh, Courtesy of A24