『あのこは貴族』の公開直前イベントが2月15日（月）にユナイテッド・シネマ豊洲で行われ、門脇麦、水原希子、石橋静河、山下リオ、岨手由貴子監督が登壇した。

原作は、映像業界が最も注目する小説家・山内マリコによる同名小説。監督を務めるのは、本作が待望の長編2作目となる岨手由貴子監督。主演は、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」でヒロイン・駒役を好演している門脇麦、共演には、女優だけでなく、モデル、デザイナーと多彩に活動し、常にその動向から目が離せない水原希子。門脇演じる、都会に生まれ、婚活に余念がない箱入り娘の華子と、水原演じる、地方から上京し、自力で都会を生き抜く美紀。同じ都会に暮らしながら、全く異なる生き方をする2人の人生が交差したとき、それぞれが自分の居場所を見つめ、恋愛や結婚だけではない自分の人生を切り開こうとするシスターフッドムービーの新境地が誕生した。

東京で裕福な家庭に育った主人公・華子について「実在感がないふうになってしまうことだけは避けようと思って、人間らしさが出るようなキャラクターにしたいと心掛けました」と語る門脇。一方で地方から上京してきた美紀を演じた水原は「私も東京にあこがれをもって出てきて、気持ちが通ずる部分やリンクする部分があって、こんなにリラックスしてお芝居をしたことがないんじゃないかというくらい貴重な体験でした」と振り返った。

衣装へのこだわりも本作の見どころの一つだが、岨手監督と話していく上で「ハイブランドに身を包んでいる方もいらっしゃるでしょうけど、華子は古風」と語り、さらに「物語の冒頭では自我がないということを印象付けたかったので、個性がない衣装にこだわりました」と明かした門脇。そんなキャストたちの衣装について岨手監督は「4人は衣装のテイストが違うし、役になじんでいる。この作品ほど衣装を選ぶのが楽しくて怖い作品はなかった」と明かした。

劇中では門脇演じる華子の親友・逸子役を石橋、水原演じる美紀と同じ高校から大学に進学した里英役を山下が演じているが、門脇と石橋、水原と山下にそれぞれお互いだけが知る“あのこは○○”な部分をフリップで発表することに。最初に石橋について「笑顔が太陽のような人」と書いた門脇は「本当に朗らかな笑顔」と大絶賛し、石橋は門脇について「家族思い」と書くと、撮影現場に門脇の両親が訪れていたことを明かし「その距離感って素敵」と語った。

また、山下について「いつも口角が上がっている人」と書いた水原は「リオちゃんっていうとあの笑顔」と語り、「ポジうてぃぶなエネルギーが出てて、嫌なことがあってもポジティブエネルギーではねのけてしまうんだろうな」と山下を見つめる場面も。一方で山下は水原について「素直」と書き、「思ったことははっきり言ってくれるし、何についても嘘がない。お芝居に治してもそう」と称賛した。

最後に門脇は「普通に生きていたら交わらない人間も、手と手を携えあったり、励ましあったりできるよねという優しい気持ちになる部分と、生まれた場所とか勝手に自分自身を“こうやって生きなきゃいけない”となんとなくレールを決めていきがちですが、そんなことはないと、映画全体を通して教えてくれる人生賛歌のような映画でもあると思います。もっといい明日を過ごしてみようかなとか、明日はもっと好きになってみようかなとか、明るい思いが芽生えたらすごく嬉しいです」とメッセージを贈った。

【写真・文／編集部】

映画『あのこは貴族』は2021年2月26日（金）より全国で公開！
脚本・監督：岨手由貴子
出演：門脇麦、水原希子、高良健吾、石橋静河、山下リオ、佐戸井けん太、篠原ゆき子、石橋けい、山中崇、高橋ひとみ、津嘉山正種、銀粉蝶
配給：東京テアトル／バンダイナムコアーツ
©山内マリコ／集英社・『あのこは貴族』製作委員会