園子温監督が役者の卵たちと作り上げた遊び心と映画愛あふれる最新作『エッシャー通りの赤いポスト』が今秋公開されることが決定した。

園子温節全開のオリジナルストーリーで、個性豊かな登場人物たちの物語が”赤いポスト”を起点に展開していく本作。物語は、鬼才のカリスマ映画監督・小林正の新作のオーディションに有名無名の女優たちが集結。興味本位で応募してきた者、夫の意思を継ぎ女優を目指す若き未亡人、「小林監督心中クラブ」のメンバー、浴衣姿の劇団員、やらせの有名女優、殺気立った訳ありの女などなど!?一方、小林監督はエグゼクティブプロデューサーの無理な要望に苦悩し、シナリオ執筆もうまく進まない。そんな時、昔の彼女が監督の目の前に現れるが……というもの。

撮影は、2019年2月に心筋梗塞による緊急搬送&入院を経た園監督の退院後、同年8月に行われた。園監督が、脚本・編集・音楽を担当し、藤丸千、黒河内りく、モーガン茉愛羅、山岡竜弘、上地由真、縄田カノン、鈴木ふみ奈ら役者の卵たちのほかに藤田朋子、田口主将や、園組常連の吹越満、渡辺哲、諏訪太朗が出演。本作はすでに、世界6か国の映画祭で上映され、2020年10月に開催された第49回モントリオール・シネヌーヴォー映画祭では観客賞を受賞し、今後もベルリン批評家週間(2月27日~3月7日)を含む4つの映画祭での上映が決まっている。

ベルリン批評家週間のアートディレクターのデニス・フッターは、本作について「今回、選考委員会は園子温監督の遊び心とアイロニーに興奮しました。監督としての長いキャリアを経て、このような根源的に繊細な作品を生み出す彼の能力には目を見張ります。『エッシャー通りの赤いポスト』は、今日の日本のインディペンデント映画の”製作の今”を鋭く正確に表現し、映画製作の将来について多くの疑問を投げかけています。」と讃えている。

園子温(監督・脚本・編集・音楽)コメント

ワークショップをやる事を決意して、生徒たちを実践的に教えるためには映画を作るしかない、と思い立ち、あれよあれよと言う間に、怒涛の如く始まった。まるで22歳の時にはじめて作った8ミリフィルムの自主映画みたいに情熱だけで作り上げた。あの頃の無心になって追いかけていた映画の神様、映画作りに燃えるマグマみたいな魂を抱えて、もう一度、原点回帰して、邪心ゼロで作っちまった童心映画!
病みつきだぜ!また、やりたい!また、作りたい!

映画『エッシャー通りの赤いポスト』は2021年秋にユーロスペースほか全国で順次公開!
監督・脚本・編集・音楽:園子温
出演:藤丸千、黒河内りく、モーガン茉愛羅、山岡竜弘、上地由真、縄田カノン、鈴木ふみ奈、藤田朋子、田口主将、諏訪太朗、渡辺哲、吹越満
©2021「エッシャー通りの赤いポスト」製作委員会