『キネマの神様』の完成報告会見が3月29日(月)に都内で行われ、菅田将暉、永野芽郁、野田洋次郎、寺島しのぶ、小林稔侍、宮本信子、山田洋次監督が登壇した。
松竹映画100周年を記念した本作。監督は日本映画界を代表する山田洋次、原作はこれまで数々の文学賞を受賞してきた人気小説家・原田マハによる「キネマの神様」。W主演を務めるのは故・志村けんの遺志を継ぐ沢田研二と、実力、人気ともに若手ナンバーワンの菅田将暉。さらに日本を代表する名女優・宮本信子と若手人気女優・永野芽郁など記念すべき作品にふさわしい超豪華なスタッフ・キャストが集結した。
本作で主演を務める予定だった志村けんさんが亡くなってから1年が経つ今日行われた会見。「混乱した」と当時の気持ちを振り返った山田監督。さらに緊急事態宣言が発出され、撮影も中断。そういった中で沢田研二が出演することが決まり、「違う魅力がある」とコメント。その沢田について菅田は「ものすごいパワフル。撮影現場も見学させていただいたんですけど、チャーミングで、ダメなんだけど色気があって、人が周りに集まってくるすごく魅力的なゴウになった」とその演技を称賛した。
永野は初の山田組に「毎日緊張と、どうしたらいいんだろうかという勉強の連続だった。ワンシーンにかける思いとか、時間だったりが、今までに感じることがない瞬間がすごく多かった」と振り返ったが、これに山田監督は「本当に緊張してた?この子、落ち着いてるなと思いました」と笑顔で返した。
劇中ではギターを弾くシーンがあるという野田だが「監督はその場でアイデアをたくさん紡ぎだす人で、台本に書かれていないものをその場で瞬発的に演出される。『ギター弾いてみないか』って撮影の3日前くらいに言われた」と明かし、これに山田監督は「野田くんが出てるんだから彼がギター弾くところを見たいと思って。断られるかなと思ったんですけど相談した」と振り返った。
山田監督による映画への愛を語るキャストたちだが、“監督の映画への執念を実感したことは?”と聞かれた菅田は「撮影のシステムが執念の塊みたい」と明かし、「ほかの映画の現場とは全く違う段取りですし、準備の仕方も、時間の使い方も違う。山田さんが考えて止まって1~2時間くらい平気で経ったりします。それだけスタッフの皆さんが山田さんを信頼している」と語るが、山田監督は「うんざりしてるんだろうけどね(笑)」と笑いながら答えた。
さらに菅田は「それだけ粘って撮影しても次のリテイクだったりする。一見難しそうに聞こえるんですけど、俳優としてはそんなに求めてもらえることはないのですごく嬉しかったです」と喜びを表現した。
最後に山田監督は「コロナが去って、映画館が盛んになってほしいと心から願っています。映画館で上映されるときは大勢の方に映画館で見て欲しい」、菅田は「完成しましたと言えることが一番の喜びなのかなと思いました。いろんなことがありすぎて、思い入れたっぷりなので、もう一回しくらいトークしたい。それだけ一年を経て、たくさんのメッセージが詰まっている映画館で見るべき映画になっています」と本作をアピールした。
また、今回の会見では完成までを捉えた特別映像が上映された。
特別映像~完成までの物語~
【写真・文/編集部】
映画『キネマの神様』は2021年8月6日(金)より全国で公開!
監督:山田洋次
出演:沢田研二、菅田将暉、永野芽郁、野田洋次郎/北川景子、寺島しのぶ、小林稔侍、宮本信子
配給:松竹
©2021「キネマの神様」製作委員会