現代医療制度・尊厳死・安楽死に向き合う社会派ヒューマン医療ドラマ『いのちの停車場』の予告編が解禁された。

都内の終末期医療専門病院に勤務し、命の終わりを真摯に見つめる現役医師でありながら、作家として「ディア・ペイシェント」(2018年刊行)などの作品を発表してきた南杏子が、今の日本の長寿社会における現代医療制度の問題点や、尊厳死・安楽死などの医療制度のタブーに正面から向き合い、それらに携わる医師、患者、その家族が描かれたその感涙の物語。主演・吉永小百合が在宅医療を行う医師役を演じ、その父親役に田中泯、在宅医療医師として働く「まほろば診療所」の院長・スタッフである西田敏行、松坂桃李、広瀬すずが、吉永が演じる咲和子を支える共演陣として出演する。

今回、「まほろば診療所」の4人が患者とその家族に真摯に寄り添う姿を描いた感動の予告映像が解禁された。長年、東京の救命救急の現場で働いていたが、とある事件をきっかけに、在宅医療専門医として故郷・金沢の「まほろば診療所」で働き始めることとなった白石咲和子(吉永小百合)。今までの“いのちを救う”現場とは異なり、患者たちと身体の治療だけではなく、支える家族や患者たちの心と向き合うことの大切さに次第に気づいていく。「まほろば診療所」の院長の仙川徹(西田敏行)、看護師の星野麻世(広瀬すず)、咲和子を慕って東京からやって来た医大卒業生の野呂聖二(松坂桃李)たちに支えながら、いつしか咲和子自身も「いのちの在り方」「生きるという意味」について考えていく。

映像では「まほろば診療所」の4人が、7組の患者とその家族に向き合い、最期の一瞬まで“自分らしく”生きようとする患者の願いに寄り添う場面が描かれる。冒頭で儚くも美しい桜が舞う中、幼馴染の中川朋子(石田ゆり子)の問いに力強い言葉をかけ笑顔で自撮りに応える咲和子。ただ寝て食事をするのは生きていることじゃない、と言い切る病を抱えた芸者の寺田智恵子(小池栄子)や、難病を患う娘が「病院に見捨てられたんです」と泣き崩れる若林祐子(南野陽子)、最期の時を平穏に過ごしたいと願う宮嶋一義(柳葉敏郎)、在宅医療を望む愛する妻とともに暮らす並木徳三郎(泉谷しげる)など、それぞれの生き方で賢明にいのちと向き合う患者と、思いを抱えた家族たちの姿が映し出されている。

患者とその家族を支え優しく包み込む咲和子のあたたかさと、朝日を見つめ涙する姿に、患者との悲しい別れだけではなく、その中に芽生えはじめる掛けがえのない、暖かな“何か”を感じさせてくれる。医師たちのあたたかな思いとその覚悟、そして患者とその家族が互いに大事に思い、愛し合うからこそ向き合うことで見える「いのち」の新たな希望を描き出す。

さらに本作で描かれる“もう一つのストーリー”、野呂(松坂桃李)と麻世(広瀬すず)の2人が初めて触れる、優しくて、暖かな少女の“最後の願い”を中心に描かれた特別バージョン予告も解禁された。「いのち」に向き合えず医師になれなかった青年の野呂と、事故で家族を失い「いのち」を見失った看護師の麻世。大切な何かを見失った、2人が偶然出会った「まほろば診療所」で出会ったのは、健気に患者と向き合う医師・咲和子の姿。そして小さな体で懸命に生きようとする少女の<最後の願い>に触れ、次第に彼らは失った大切な何かを取り戻していく――。少女をやさしく、時に涙をこらえ見つめる麻世の眼ざし、そして涙をこらえることなく感情のおもむくままに一心にみつめる野呂の眼差しは、苦しくて、優しくて、時に、あたたかで、次第に彼らと共に、この時代に失った大切な何かを想いださせてくれる。

予告映像

特別バージョン予告映像

映画『いのちの停車場』は2021年5月21日(金)より全国で公開!
監督:成島出
出演:吉永小百合、松坂桃李、広瀬すず、南野陽子、柳葉敏郎、小池栄子、みなみらんぼう、泉谷しげる、石田ゆり子、田中泯、西田敏行
©2021「いのちの停車場」製作委員会