『BLUE/ブルー』の公開記念舞台挨拶が4月10日(土)に新宿バルト9で行われ、松山ケンイチ、木村文乃、東出昌大、柄本時生、田恵輔監督が登壇した。
田恵輔監督が30年以上続けてきたボクシングを題材に、自ら脚本を書き上げた本作は、成功が約束されていなくとも努力を尽くす挑戦者たちの熱い生き様を描いた青春映画。主演の松山ケンイチは約2年もの間じっくりと役作りに挑み、情熱はあっても才能が無い、試合には勝てない主人公・瓜田を熱演。同じジムに所属する、強さと才能を合わせ持つ後輩・小川を東出昌大が演じ、固い友情で結ばれながら瓜田が憧れと嫉妬を抱くライバルとして存在感を発揮している。また、モテるために始めたボクシングにのめり込んでいく新人・楢崎を柄本時生が演じ、3人は『聖の青春』以来5年ぶりの共演を果たす。ヒロインは木村文乃が務め、瓜田の初恋の人でありながら、今は小川の婚約者という2人の間で揺れる千佳を演じる。
「公開しないと見てもらえないわけですから、無事この日を迎えられてホッとした気持ち」と安堵の表情を見せる松山は「文乃ちゃんが『どうでしたか?』って言った時にみなさんが拍手してくれたので、今幸せな気持ちになっています」と挨拶した。
本作は田監督が30年以上続けてきたというボクシングを題材にしており、長い年月をかけて脚本も自ら手掛けている。そんな監督の思いが詰まった本作に、松山は「東出くんも、時生くんもやっちゃう人だから、足引っ張らないようにということは思っていました」と振り返った。一方で東出は「役作りでジムに行ったら、シャドーしている人がいて、ボクサーの人だと思ったら松山さんで“ジムの住人になってる!”って驚きました」と明かした。
そんなボクシングシーンへの気合を目の当たりにした木村は「私は蚊帳の外で、ジムでの撮影の時も仲間に入れなかったんですけど、耳を澄ましたら『あいつのステップがいいよね』とか『どうやって減量してる?』とかすごい楽しそうにお話されていて、この人たち役者じゃないのかもしれないって思ってました(笑)」と笑いを誘った。
最後に田監督は「ボクシング自体も好きになってもらえたら嬉しい」、松山は「映画は背中を押してくれる存在だったり、何かを教えてくれる存在だったり、勇気を与えてくれるものだったり、そういうものだと思っているんですけど、自分も救われてきましたし、映画を見て救われることってあると思います。今なかなか自由に生活できない状況が続いていますけど、その中でもエンターテインメントの力は何も変わっていませんので、映画の力をみなさんと共有していけたら、この作品をずっと共有していけたらいいなと思いがら、この先もやっていきたいと思います」とメッセージを贈った。
【写真・文/編集部】
映画『BLUE/ブルー』は全国で公開中!
監督・脚本・殺陣指導:田恵輔
出演:松山ケンイチ、木村文乃、柄本時生/東出昌大
配給:ファントム・フィルム
©2021『BLUE/ブルー』製作委員会