『裏アカ』の公開記念舞台挨拶が4月16日(金)に東京・シネクイントで行われ、神尾楓珠、加藤卓哉監督が登壇した。

今の社会や時代が持つ二面性を象徴する“SNSの裏アカウント”。TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2015で準グランプリを受賞した本作でついに監督デビューを果たした加藤卓哉が、裏アカウントを通して出会う男女の姿から、現代に生きる者が抱える葛藤や欲望、そして性への衝動を赤裸々に描き出し、観る者の心に突き刺さるセンセーショナルな人間ドラマへと昇華させた。主演は、確かな演技力で注目を集める瀧内公美。主人公を翻弄する相手役には話題作への出演が続く注目若手俳優の神尾楓珠。市川知宏、SUMIRE、田中要次、神戸浩、松浦祐也、仁科貴、ふせえりといった個性豊かな俳優陣が脇を固めている。

神尾とは短編映画『春の佳き日』(2018)に続く2作目のタッグとなる加藤監督は「その時のお芝居がとっても良くて、僕の中ではお芝居の人と認識していて、本作ではまた違った印象を持ちました」と振り返った。そんな加藤監督の印象について神尾は「『春の佳き日』でもそうでしたが、とても温厚な監督だと思います。僕自身、人見知りということもあり、中々現場のスタッフさんに話しかけれないタイプなんですが、監督とは最初から気さくに話せていました。指示も的確に出してくれて、すごくやりやすい現場だったことを覚えています」と明かし、改めて相性がよかったのかと尋ねられると「そうなのかもしれません」と照れ笑いを浮かべた。

加藤監督は神尾の魅力について「とにかく目や目線がいいですね。俳優のタイプの中では感覚で演じるタイプだと思うので、今回はあえてそこまで指示を出さずに任せた部分が多かったと思います。僕自身が思い描いている一歩先を演じてくれていたので安心していました」と語り、神尾は「現場で全然話してくれないから、もう見限られたのかなと思っていましたよ・・・結構さみしかったですね(笑)」と不安だった思いも語った。さらに現場で神尾から「涙するシーンを一発撮りでやらせてください。と逆提案された。中々肝が据わっているな、成長しているなと思いました」と絶賛しつつも、神尾は「あのシーンは大変でした・・・」と明かした。

神尾は撮影中のエピソードとして「ある撮影日に瀧内さんにランチに誘われて、僕の方が先に終わったので控室で待っていたんですが、お腹が空き過ぎて楽屋のお弁当に手を出したら、おいしくて全部食べてしまい、ランチを断る羽目になり、瀧内さんにすごく怒らましたね(笑)」と語り、笑いを誘った。

最後に神尾は「この作品は今の世界にリアルに感じられるテーマ性をもった作品だと思います。誰もが利用しているSNSへの向き合い方や新たな価値観がもてる内容になっていると思いますので、ぜひとも二度三度見ていただければと思います」と本作をアピールした。

映画『裏アカ』は全国で公開中!
監督:加藤卓哉
出演:瀧内公美、神尾楓珠、市川知宏、SUMIRE、神戸浩、松浦祐也、仁科貴、ふせえり、田中要次
配給:アークエンタテインメント
©2020 映画『裏アカ』製作委員会