『浜の朝日の嘘つきどもと』の完成報告イベントが5月18日(火)に都内で行われ、高畑充希、大久保佳代子、タナダユキ監督が登壇した。
震災後の福島・南相馬に実在する映画館「朝日座」を舞台に、東京の映画配給会社に勤めていた福島県出身26歳の茂木莉子(本名:浜野あさひ)が、病に倒れた敬愛する恩師との約束を守るため閉館寸前の映画館の再建に向け奔走する本作。オリジナル脚本を執筆したタナダユキ監督が自らメガホンをとる。主人公・茂木莉子役には高畑充希。「朝日座」の支配人・森田保造役には落語家・柳家喬太郎。莉子の高校時代の恩師・田中茉莉子役には大久保佳代子。映画のアフターストーリーを描いたドラマが福島中央テレビ開局50周年記念作品として昨年10月30日に放送。ドラマでは竹原ピストルと高畑充希がW主演を務め、今後配信などが予定されている。
今回初タッグとなった高畑とタナダ監督だが「タナダさんの作品が大好きでお会いしたい方だった」と明かす高畑は、台本を読んだ感想として「流れとかキャラクターが生き生きとして、台本から人が飛び出てくる感じがした」と表現し、「この作品に参加できるのはラッキーだと思いました」と振り返った。一方で大久保は「マネージャーから『映画の仕事が決まった。いい役ですよ』と言うんですけど、よくちょっと盛ってくるので『またまた~』と思って脚本を読ませていただいたら、人間的に魅力がある役だし、セリフがめっちゃ多いなというプレッシャーがありました」と明かした。
そんな2人のキャスティングについて「この企画をやるとなった時に高畑さんがいいとずっと言っていた」というタナダ監督。大久保についても「誰と組んだらおもしろいだろう、新たな高畑さんが見えたり、お互いの化学反応が見れるんだろうと思った」とその理由を明かした。
昨年の緊急事態宣言が明けた後に最初に撮った作品だという高畑は「明日どうなるか分からないという状況で、自分の中で考えが変わった時期だった」と振り返り、「(自身の役柄と)リンクして、今近くにいる人に愛情を注いだり、伝えたりしたいと思っていた時期だったので、その時の自分の肌にピタッとくっつくような台本でした」と振り返った。
また、撮影中にはアイスの差し入れもあったようで「いろんなフレーバーがあって『何にする?』というのが楽しかった」と振り返る大久保に高畑も「めっちゃ暑かったんです」と懐かしんだ。
映画の内容にちなんで“映画館の思い出”を聞かれると、5月20日で閉館するアップリンク渋谷が「好き」という高畑は、「もちろんちゃんと見るんですけど、寝落ちしちゃう瞬間が好きで(笑)」と笑いながら明かし、「なくなるのがさみしい」と感慨深げに語った。
最後に高畑は「今だから思うことも盛り込まれています。今だから見て欲しい作品だし、タナダ監督の映画愛が詰まっています。映画が好きな人は、いい映画が出てくるのでテンション上がるんじゃないかなと思います。たくさんの人にこの映画を見て温かい気持ちになってほしいです」とメッセージを贈った。
【写真・文/編集部】
映画『浜の朝日の嘘つきどもと』は2021年9月10日(金)より全国で公開!
脚本・監督:タナダユキ
出演:高畑充希/柳家喬太郎、大久保佳代子/甲本雅裕、佐野弘樹、神尾佑、竹原ピストル/光石研/吉行和子
配給:ポニーキャニオン
©2021 映画『浜の朝日の嘘つきどもと』製作委員会