『HOKUSAI』の公開直前ヒット祈願報告会イベントが5月26日(水)に都内で行われ、柳楽優弥(葛飾北斎・青年期役)、田中泯(葛飾北斎・老年期役)、永山瑛太(柳亭種彦役)、玉木宏(喜多川歌麿役)、瀧本美織(コト役)、橋本一監督が登壇した。
時は江戸。幕府によって表現者たちが自由を奪われていた時代に、自分の道を貫き、ひたすら画を描き続けた絵師・葛飾北斎。名だたる印象派アーティストたちを刺激し、あらゆるジャンルで世界に影響を与え続ける北斎だが、若き日の資料はほとんど残されておらず、その人生は謎が多い。本作は、歴史的資料から残された事実を繋ぎ合わせて生まれたオリジナル・ストーリー。柳楽優弥と田中泯がW主演で若き日と老年期の北斎を体現する。北斎を見出す版元の蔦屋重三郎には阿部寛、晩年の北斎に最も影響を与える戯作者の柳亭種彦を永山瑛太、北斎の一つ先を行く美人画の大家・喜多川歌麿を玉木宏が熱演。
イベント前には北斎が86歳の時に描いた「須佐之男命厄神退治之図」が奉納されている牛嶋神社にヒット祈願に行った登壇者たちだが、「悪いものを跳ね返して断ち切る力がある気がする」と北斎の絵に込められた力について語り、田中は「86歳で描いたと知って驚いています」と驚きを隠せない様子だった。
劇中では田中演じる北斎と共演となった永山は「(自身が演じた)種彦と北斎の関係性のように、僕自身も初めて田中泯さんとご一緒させていただいて、俳優であるとか人間であるという以上のものをたくさんのお言葉でもいただきました」と振り返った。玉木は柳楽との共演で「撮影時も柳楽くんの目が印象的で、内に秘めた強い闘志を感じながら演じました」と語るように、いい影響を受けながら撮影に臨んだ様子をうかがわせたキャストたち。
「絵で世界は変えられる」というセリフにちなんで、“絵や映画で世界は変えられると思いますか?”という質問に「一人一人の気持ちのモチベーションを変える力があると思う」と答えた柳楽。田中も「少なくとも人の心に伝わることは確かです」と語った。
また、北斎の生き様にちなんで“こんな日だからこそやり遂げたいことは?”という質問に「誠心誠意芝居をして、日本中のみなさんを少しでも明るい気持ちに出来たら」と答えた永山。玉木は「先日祖父が100歳になりまして、自分の子どもが生まれたこともあるし、早く会いに行ける日が来るといいな」とコメントした。
最後に柳楽は「映画や芸術はトンネルにライトをつけられる。出口に誘導する力があると信じています。一日も早く新型コロナウイルスが収束して、みなさんに笑顔が戻る日がくればいいなと思いながら、映画の力を信じてみなさんに発信していくことをがんばりたい」、田中は「『HOKUSAI』に出させていただいたことでたくさんのことを勉強させていただいた。北斎こそが人々を愛し、人々の身体を克明に描写した最初で最後の人だったかもしれない。ぜひ北斎に愛されに映画を見に来てほしいです」とメッセージを送った。
【写真・分/編集部】
映画『HOKUSAI』は2021年5月28日(金)より全国で公開!
監督:橋本一
出演:柳楽優弥、田中泯、玉木宏、瀧本美織、津田寛治、青木崇高、辻本祐樹、浦上晟周、芋生悠、河原れん、城桧吏、永山瑛太/阿部寛
配給:S・D・P
©2020 HOKUSAI MOVIE