『いのちの停車場』の全国公開記念舞台挨拶が6月1日(火)に丸の内TOEIで行われ、吉永小百合、広瀬すず、田中泯、成島出監督が登壇した。
都内の終末期医療専門病院に勤務し、命の終わりを真摯に見つめる現役医師でありながら、作家として「ディア・ペイシェント」(2018年刊行)などの作品を発表してきた南杏子が、今の日本の長寿社会における現代医療制度の問題点や、尊厳死・安楽死などの医療制度のタブーに正面から向き合い、それらに携わる医師、患者、その家族が描かれたその感涙の物語。主演・吉永小百合が在宅医療を行う医師役を演じ、その父親役に田中泯、在宅医療医師として働く「まほろば診療所」の院長・スタッフである西田敏行、松坂桃李、広瀬すずが、吉永が演じる咲和子を支える共演陣として出演する。
緊急事態宣言が再延長される中で、本日より一部自治体から出ていた休業要請が時短要請に切り替わったことから実施された今回の舞台挨拶。本作では初めて有観客での舞台挨拶に主演の吉永は「映画ファンのみなさまも“待ってるよ”と言ってくださいました。このような形で映画を見ていただけます事を本当にうれしく思っています」と感慨深げに挨拶した。
続く広瀬は「お客さんの前に立たせていただき、映画を届けられたということが肌で実感できる空間にいさせていただけるこの瞬間がすごく嬉しいです。…なんか、嬉しいです」と言葉を噛み締め、改めて喜びをうかがわせ、田中は「映画は作られたものですが、みなさんの前では絶対にライブなものになっていると信じています。みなさんの人生と日常がやってきてそれが場面と合流する素晴らしい時間です」と語った。
本作ではコロナ禍での撮影やキャンペーン活動となったことから制限もあり、吉永は「心残りは一度もすずちゃんとご飯を食べられなかった」と明かし、広瀬も「取材と舞台挨拶以外は行って帰ったりしていて、お仕事以外で一緒に過ごせるという時間がなかったので…」と残念がると、吉永は「今度、いつかね!」と笑顔で約束を交わす場面もあった。
最後に吉永は「まだまだ苦しい思いをしていらっしゃる方がたくさんいらっしゃると思います。一日も早く、いい状況になりますように、少しずつ枠士たちも努力していかなければいけないと思います。映画の中ですずちゃんを思い切りハグしたように、みんなが抱き合ったり、握手したりできますように」とメッセージを送った。
【写真・文/編集部】
映画『いのちの停車場』は全国で公開中!
監督:成島出
出演:吉永小百合、松坂桃李、広瀬すず、南野陽子、柳葉敏郎、小池栄子、みなみらんぼう、泉谷しげる、石田ゆり子、田中泯、西田敏行
©2021「いのちの停車場」製作委員会