『キネマの神様』の完成披露舞台挨拶が6月28日(月)に丸の内ピカデリーで行われ、菅田将暉、永野芽郁、野田洋次郎、北川景子、寺島しのぶ、前田旺志郎、宮本信子、山田洋次監督が登壇した。

松竹映画100周年を記念した本作。監督は日本映画界を代表する山田洋次、原作はこれまで数々の文学賞を受賞してきた人気小説家・原田マハによる「キネマの神様」。W主演を務めるのは故・志村けんの遺志を継ぐ沢田研二と、実力、人気ともに若手ナンバーワンの菅田将暉。さらに日本を代表する名女優・宮本信子と若手人気女優・永野芽郁など記念すべき作品にふさわしい超豪華なスタッフ・キャストが集結した。

昨年3月1日にクランクインした本作だが、志村けんさんが逝去し、その後を沢田研二が継いで撮影された。若き日のゴウを演じる菅田は「志村さんのゴウを想像してのお芝居だった」と振り返りつつ、「沢田研二さんが演じたゴウを見たときに、どこかで志村さんを感じた。確実にいろんなものが残っていた」と本作への印象をコメントした。

本作では“奇跡”を描いていることから、“撮影中に奇跡を感じたことや印象に残っていることは?”という質問に「山田組ではリテイクがあるといううわさを聞いていて」という菅田は、実際に撮影翌日にリテイクを行ったことを明かし、「もう一回求めてもらえるんだというのがすごいうれしかったし、それだけ見てくれてるんだ、僕ら以上に考えてくれてるんだなというのがうれしい」と笑顔を見せつつも、「幸せでした。マジか、と思いましたけど(笑)」と笑いを誘った。

一方で永野は「監督が突然『How are you?』って聞いてくださったことがあって、監督の英語が聞けたという奇跡的な瞬間」とエピソードを明かし、そのことへの返答を聞かれると「敬語にするのが分からなくて『I'm fineです』って返したんです(笑)」と振り返り、笑いを誘った。

また、北川は「撮影中に子供を授かって」といい、「監督にお伝えしたときに『いいお母さんになってくださいね。子どもを持つ経験が女優業をやっていくうえで糧となって、成長できるでしょうから、次のステップに行ってもがんばってくださいね』というこえをかけてくださったときに嬉しくて涙が出た」と明かした。

北川について山田監督は「たくさんのカットがありましたけど、その中のワンカットは彼女がたくさん出た映画やドラマの中でも一番きれいなカットだと自負しているカットがあります」と大絶賛し、これに北川は「どのカットですか?」と照れ笑いを浮かべたが、山田監督は「それは言えない(笑)」と言葉を濁し、会場の笑いを誘った。

さらに寺島は自身の現場で悩んでいるときに「監督が『僕は歩があなたでよかったと思います』って背中をたたいてくださったんです。監督は厳しいイメージがあったから、そこから涙が止まらなくなっちゃって…」と山田監督とのエピソードを明かし、「これからの女優人生の宝物になった」と笑顔で振り返った。

最後に菅田は、撮影を通じて「山田監督はたくさんの話をしてくださって。今までのことを聞いている時間が俳優として財産で。そんな映画が完成して公開できるのが嬉しいです。期待に応えられる作品になっていると思います。楽しみにしていてください」と本作をアピールした。

【写真・文/編集部】

映画『キネマの神様』は2021年8月6日(金)より全国で公開!
監督:山田洋次
出演:沢田研二、菅田将暉、永野芽郁、野田洋次郎/北川景子、寺島しのぶ、小林稔侍、宮本信子
配給:松竹
©2021「キネマの神様」製作委員会