『いのちの停車場』のチーム“まほろば”サンクスデーイベントが6月30日(水)に新宿バルト9で行われ、吉永小百合、松坂桃李、広瀬すず、西田敏行、原作者の南杏子、成島出監督が登壇した。
都内の終末期医療専門病院に勤務し、命の終わりを真摯に見つめる現役医師でありながら、作家として「ディア・ペイシェント」(2018年刊行)などの作品を発表してきた南杏子が、今の日本の長寿社会における現代医療制度の問題点や、尊厳死・安楽死などの医療制度のタブーに正面から向き合い、それらに携わる医師、患者、その家族が描かれたその感涙の物語。主演・吉永小百合が在宅医療を行う医師役を演じ、その父親役に田中泯、在宅医療医師として働く「まほろば診療所」の院長・スタッフである西田敏行、松坂桃李、広瀬すずが、吉永が演じる咲和子を支える共演陣として出演する。
今回のイベントでは、冒頭で西田が本作の応援歌「いのちの停車場」を生歌唱。熱のこもった歌唱を終えた西田は「人様の前で初めて歌わせていただきました」と笑顔を見せ、登壇した吉永らキャスト・監督と観客からは大きな拍手が寄せられた。
イベントでは、公式SNSに寄せられた質問に登壇者が回答。“印象的なシーンは?”という質問に「ラーメン屋のシーン」と答えた広瀬は「リハーサルと全然違うお芝居にたどり着いた」と振り返り、同じシーンについて松坂は「カメラが正面にあったりして、今回の現場では(ほかに)ない撮り方をやっていたんです。リハーサルを重ねて難しいところでした」とこのシーンにかけた思いを語った。
西田は「『まほろば診療所』に吉永さんが初めて訪ねてこられた時の、すずちゃんの対応です。堂々としていて、若い時に吉永さんのスクリーンを見て感じた感動と同じような感動をすずちゃんに感じました。堂々とした演技で、『こいつ、吉永小百合を食いにかかってるな』って。すごい女優だなと思いました」と大絶賛。これに吉永も「堂々としていて、シャキっとしていて素敵でした」と笑顔を見せた。
また、“壁にぶつかった時にどのように乗り越える?”という質問に「とにかく落ちて落ちて開き直るくらいの気持ちまで到達したら見えてくるものがある」という松坂に対して、広瀬は「いったん寝ます。考えたり、想像したり、努力はしようと思うんですけど、あとは時間が解決してくれるとか」と答えた。
最後に吉永は「“チームまほろば”の4人が会うのはたぶん今日が最後なんじゃないかなという思いで、ちょっぴりセンチメンタルになっています」と寂しげな表情を浮かべつつも「本当に楽しい仕事をさせていただきました」と笑顔で感謝の気持ちを語った。
【写真・文/編集部】
映画『いのちの停車場』は全国で公開中!
監督:成島出
出演:吉永小百合、松坂桃李、広瀬すず、南野陽子、柳葉敏郎、小池栄子、みなみらんぼう、泉谷しげる、石田ゆり子、田中泯、西田敏行
©2021「いのちの停車場」製作委員会