オール韓国ロケで挑んだ石井裕也監督最新作『アジアの天使』で芹澤興人が演じる“摩訶不思議な天使”のイメージビジュアルとメイキング画像が解禁された。
数々の名作を発表し続けている石井裕也監督が、オール韓国ロケで挑んだ、優しさと力強さが調和した人間ドラマであり、誰も見たことのない“アジアの家族映画”。主人公のシングルファーザー・青木剛を池松壮亮、剛が身を寄せる韓国在住の兄をオダギリジョー、元アイドルで売れない歌手のチェ・ソルをチェ・ヒソが繊細に演じる。
今回、劇中に登場する「摩訶不思議な天使」のイメージビジュアルとメイキング写真が解禁された。天使役を演じるのは、石井裕也監督が演出したTVドラマ「おかしのいえ」(TBS系)に引き続き出演する芹澤興人。メイキング写真には真冬の漢江で暖をとりながら石井裕也監督とプランを話し合う天使の姿が写されている。
この天使について、先日行われたプレミア上映イベントでオダギリジョーは「『天使』がこの映画の要所要所に出てきますけど、その姿がちょっとヘンテコなんですね。何をしてヘンテコだと言うのか…それは私たちの固定概念に他ならない訳ですが。ここで言う『天使』というものは、『奇跡』と同義語だと思うんです。『奇跡』というものは、一生に一度起こるか起こらないもの。その『奇跡』がヘンテコだからって、それを否定することができるのでしょうか?一生に一度、出会うかわからない『天使』がヘンテコであったとしても、それはむしろ愛すべき『奇跡』なのではないでしょうか。人生には様々な『ヘンテコ』が必要なんです」と話している。
プロデューサーを務めたパク・ジョムボムは、パンフレットのインタビューにて天使がいたらどんな形をしてると思いますか?という質問に「労働者の形をしていると思います。何故なら彼らは私にとって最も普通で最も偉大な存在だからです」と答えている。
池松壮亮 コメント
この映画に登場する天使は、アジアの天使という言葉の本来持ついびつさと同様に、古くから西洋的なシンボルとして受け入れられ広く浸透した、今やその形を誰も疑うことのない天使のそれとは程遠く、変な姿をしています。
そしてこの映画で描かれる登場人物たちもまた、それぞれが過去に囚われ、損失を抱えており、脆く、不完全で、へんてこな人生を歩んでいます。彼らに訪れる奇跡は、インスタ映えするような美しいものじゃないのかもしれない。西洋のように眩しい光が訪れるわけじゃないのかもしれない。それでも彼らは、何かを信じ、誰かを想う強い力を持っている。
あなたは信じないだろうけど、白人でもなく、黒人でもなく、西洋史にのらない私たちアジアの天使に、もし本当に会えたならば。そしてそんな奇跡を、誰かが共に信じてくれて、共に生きてゆくことができるならば。
その時私たちは、囚われていた価値を脱ぎ捨て、希望を得て、新しい時代を共に切り拓いてゆけるのではないかと、思っています。
映画『アジアの天使』は全国で公開中!
脚本・監督:石井裕也
出演:池松壮亮、チェ・ヒソ、オダギリジョー、キム・ミンジェ、キム・イェウン、佐藤凌
配給:クロックワークス
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