『映画 太陽の子』の完成披露試写会が7月7日(水)にTOHOシネマズ日比谷で行われ、柳楽優弥、有村架純、國村隼、黒崎博監督が登壇した。

パイロット版と言うべきテレビドラマが2020年にNHKで放送され、大きな反響を呼んだ「太陽の子」。ドラマ版とは異なる視点と結末が加わり、ついに物語が完結。主演・柳楽優弥、有村架純、三浦春馬の豪華共演で“日本の原爆開発”を背景に、時代に翻弄されながらも全力で駆け抜けた若者たちの等身大の姿を描いた青春群像劇。太平洋戦争末期に実際に海軍からの密命を受け京都帝国大学・物理学研究室が行っていた「F研究」と呼ばれる新型爆弾開発の事実を基に作られたフィクション作品。極秘任務に携わる科学者・修を柳楽優弥、修とその弟がほのかな想いを寄せる幼なじみの世津を有村架純、修の弟で戦地で心に傷を負った軍人・裕之を三浦春馬さんが演じる。ドラマ版とは異なる視点と結末が加わり、ついに物語が完結。時代に翻弄され、それぞれの葛藤や想いを抱え全力で生きた若者たちの、等身大の姿が描かれる。

黒崎監督が長年の構想期間を経て、映像化が実現した本作。「脚本を読み終わった後に本当に素晴らしいと思って絶対に参加したいと思った」という柳楽は「僕と架純ちゃんと(三浦)春馬くん、30前後の俳優がしっかりとしたテーマの作品に参加して、年齢にかかわらず伝えていくことはとても意味があることだと思えて、最高な時間でした」と振り返った。

NHK連続テレビ小説『ひよっこ』で黒崎監督とタッグを組んだ有村は「責任と覚悟が必要になってくると思った」と本作に出演する際の決意を振り返りつつ「信頼していたのでぜひと」と出演を決めたことを明かした。

劇中では柳楽、有村、三浦さんの3人での海のシーンが印象に残っているという柳楽は「(衣装が濡れてしまうので)一発OKじゃないとだめという緊張感があって。舞台の本番の初日前みたい」と並々ならぬ緊張感の中で撮影したというが、「いいシーンになったのはあの緊張感があったからだと、達成感からも印象に残っています」と満足のいくシーンに仕上がったことを明かした。

さらに「春馬くんとは、10代前半から一緒にオーディションをしたりする仲だったんですけど、戦友というかライバルというか、今回の兄弟のような関係で関わらせていただいて。春馬くんがこの作品に愛をもって参加してくれたように、参加したメンバーで春馬くんをこれからもずっと愛して、大切にしていきたいと、そう思える大切なシーンです」と語った。

また、柳楽とも三浦さんとも共演経験があった有村は「自然と幼馴染という関係性ができていて、現場もすごく穏やかでした。撮影の合間は笑顔も多かったです」と撮影現場を振り返り、印象に残ったシーンについては「縁側で未来について語り合うシーン。もしかしたら3人で会える最後の夜かもしれないという切ないシーンでもあったのですが、未来に対する望みの詰まったシーンになったかなと。台本にはなかったんですけど、2人の手を握らせていただいたんですけど、言葉じゃない人間の温かさ、温度が伝わればいいなと提案させてもらいました」と明かした。

イベントではこの日が七夕であることにちなんで願い事を短冊形フリップで発表。「安心安全な世界が訪れますように」と書いた有村は「いつになったら何も心配事なく、全世界の人たちが平和に暮らせるのだろうかというのは永遠のテーマなんだろうなと改めて思いました」と語り、「映画の力でみんなに元気を」と書いた柳楽は「エンターテインメントに支えられてると感じるときがあるので、僕は映画が好きなので、映画の力でみなさんに元気を与えられるような作品に参加したい」と語った。

【写真・文/編集部】

『映画 太陽の子』は2021年8月6日(金)より公開!
監督・脚本:黒崎博
出演:柳楽優弥、有村架純、三浦春馬、イッセー尾形、山本晋也、ピーター・ストーメア、國村隼、田中裕子
配給:イオンエンターテイメント
©2021 ELEVEN ARTS STUDIOS / 「太陽の子」フィルムパートナーズ