『犬部!』の獣医学部学生ティーチインイベントが7月13日(火)に都内で行われ、林遣都、篠原哲雄監督、犬のちえ、小泉進次郎環境大臣が登壇した。
北里大学(十和田キャンパス)に実在した動物保護サークル「犬部」。設立した学生をモデルにした主人公たちの動物を守ろうと奮闘した過去と、獣医師となって新たな問題に立ち向かう現代という2つの時代構成で、かつての「犬部」の仲間たちを再び巻き込み突き進む奮闘を描く。一匹でも多くの命を救うため、どんな状況でも諦めずに奮闘する熱血主人公・花井颯太を林遣都。その相棒で心優しい同級生・柴崎涼介を中川大志が演じる。メガホンをとるのは人の心の機微を繊細かつ堅実に描いてきた実力派監督・篠原哲雄。
元気に飛び跳ねる保護犬出身のちえ(林演じる颯太の相棒犬・花子役)を連れて仲良さそうにステージに登場した林。ちえについて「顔も美人で今や色々な映像作品に出演している。ワンちゃん界では大女優です。人の力になれるようなメッセージ性のある今回の映画に出演してくれて、今日まで一緒に過ごせて嬉しいです」と満面の笑み。保護犬ya
保護猫問題に取り組み、自身も保護犬アリスを飼っている小泉大臣も「僕も林さんと同じで、犬とは会話をします。『そのドッグフード美味しいの?』とか」と犬との日常の一幕を紹介。犬に対するそんな優しさもあってか、写真撮影時には初対面のはずのちえが、小泉大臣に熱烈キス!可愛らしいハプニングに戸惑う小泉大臣だったが、嬉しそうにちえの愛情をたっぷりと受け止めた。
映画のモデルとなったサークル「犬部」を創設した北里大学の獣医学部生、約20人もオンラインで参加した本イベント。学生から撮影中の動物との触れ合い方について聞かれた林は、撮影を通して犬との接し方も変わったようで「人と会話するのと変わらないくらい、日常会話をすることを心掛けました」とその秘訣を告白。撮影時のエピソードを明かした。小泉大臣は「保護犬は色々な経験をしている背景があるけれど、そんな警戒心のある保護犬が自分との距離を許してくれた瞬間は嬉しい」と自身の経験を語ると、撮影中に犬との心の距離の変化を実感したという林は「最初は近づけない犬もいたけれど、僕の方に寄って来てくれる瞬間もあって、母性が湧きました。撮影が終わって東京に帰るときも寂しくて…。あんな感情になったのは初めて」と共感していた。
学生から、環境省として動物保護の観点で何に力を入れているのかという鋭い質問が飛ぶと、小泉大臣はフリップを用意し、殺処分減少の推移や動物虐待の罰則の強化、基準の明確化を実施している旨を説明。「今回の映画を観て犬を飼いたいと思う人もいると思うが、最後まで飼い主としての責任を果たせるかどうかを考えてほしい。コロナ禍でペットを飼う人も増えているが、捨てる方も増えている。これは不幸なこと。飼い主の責任を一人一人が考える、そんな世界を作っていきたい」と意気込みを明かすと、篠原監督は「人が動物とどう生きていくか、それは僕らも映画を通して描きたかったこと。その部分についても映画から読み取ってほしい」と期待。林も「俳優ができることは限られているが、『犬部!』が一人でも多くに人に届いてくれたら嬉しい」とアピールした。
林や篠原監督、小泉大臣から学生に質問を投げかける一幕もあり、小泉大臣から「環境省の取り組みを学生さんたちに知ってもらうにはどうしたらいいのか?」といった質問が飛ぶと、学生から「掲示板や冊子、学生団体との交流などがあるといいかも」とアイディアが。真剣に耳を傾けていた小泉大臣だが「でも管轄は農林水産省なので…」と学生がポロッとこぼすと、場内には大きな笑いが。小泉大臣も「まさかの縦割り問題が浮上しましたね」と冗談交じりに嘆く一幕も。
最後に、小泉大臣は林演じる花井颯太が外科実験に疑問を持つシーンをお気に入りに挙げて「その時の教授の対応が素晴らしい。理想を追求する学生に対して選択肢を提示した。僕らも専門領域に入って理想を追求する中で理想と現実の狭間で悩むこともあるが、そんなときに支えてくれる仲間が出てくる。その仲間も理想と現実の狭間で揺れながら、花井颯太(林)を支える。『犬部!』は犬の映画ではあるけれど、誰にとっても共感できる映画。教授との対話は、それを象徴するシーン。多くの方に届いてほしい」と太鼓判を押し、篠原監督も「面白い議論ができた会でした。こういった話をすること自体が有意義だと思います。」とコメント。林は「本当にこういう時間を持てて嬉しく思います。僕自身、胸にとめておかないといけない話がたくさんありました。皆さんも頑張ってください」と学生へエールと送った。
映画『犬部!』は2021年7月22日(木・祝)より全国で公開!
監督:篠原哲雄
出演:林遣都、中川大志、大原櫻子、浅香航大/田辺桃子、安藤玉恵、しゅはまはるみ、坂東龍汰、田中麗奈/酒向芳、螢雪次朗、岩松了
配給:KADOKAWA
©2021「犬部!」製作委員会