第92回アカデミー賞モロッコ代表作『モロッコ、彼女たちの朝』の本編映像が解禁された。
カサブランカで女手ひとつでパン屋を営むアブラと、その扉をノックした未婚の妊婦サミア。思いがけぬ出逢いが、ふたりの人生に光をもたらしてゆく―。新星マリヤム・トゥザニ監督が、過去に家族で世話をした未婚の妊婦との思い出をもとに作り上げた長編デビュー作。家父長制の根強いモロッコ社会で女性たちが直面する困難と連帯を、フェルメールやカラヴァッジョといった西洋画家に影響を受けたという豊かな色彩と光で美しく描き出す。現在までにアメリカ、フランス、ドイツなどで公開され、日本でも初めて劇場公開されるモロッコの長編劇映画となった。
今回解禁された本編映像は、イスラムの大祭で街中が活気に溢れているシーン。イスラム世界では、本日7月19日から23日までの5日間、「イード・アル=アドハー」、日本語では「犠牲祭」とも呼ばれる、家畜をアッラーに捧げるお祭りが行われる。1か月間の断食をする「ラマダン」明けの「ハリ・ラヤ」と並ぶ大祭だ。この期間、人々は羊などの家畜の肉を親族や恵まれない人たちに分け与え、イスラムの精神である、お互いを思いやる気持ちを再確認する。
本編映像では、太鼓とバイオリンをかき鳴らすアラブ音楽奏者が通りを練り歩き、街は活気にあふれている。パン屋の店主アブラもお祭りの賑わいに心踊っているようだ。広場では逃げた羊の持ち主をめぐって女性たちが必死に言い争い、その姿にアブラ、サミア、スリマニの3人は思わず顔を見合わせ、笑い合う。そんな和やかな雰囲気の中、突然サミアに陣痛が…。未婚の妊婦であるサミアは、産まれてくる子どもの幸せを願い、すぐ養子に出すと決めている。辛い別れは目前に迫っているのか…。楽しいお祭りのムードから一転、シリアスな急展開に目が離せない映像となっている。
本編映像
映画『モロッコ、彼女たちの朝』は2021年8月13日(金)より全国で公開!
監督・脚本:マリヤム・トゥザニ
出演:ルブナ・アザバル、ニスリン・エラディ
配給:ロングライド
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