『護られなかった者たちへ』の完成披露試写会が8月15日(日)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、佐藤健、阿部寛、清原果耶、緒形直人、吉岡秀隆、倍賞美津子、瀬々敬久監督が登壇した。

作家・中山七里の傑作小説を映画化した本作。全身を縛られたまま“餓死”させられるという、異様な手口の連続殺人事件が発生。捜査線上に浮かび上がったのは、過去に起こした事件で服役し、出所したばかりの利根。刑事の笘篠は利根を追い詰めるが、決定的な証拠がつかめないまま第三の事件が起きようとしていた―。なぜ、被害者はこのような無残な殺され方をしたのか?利根の過去に何があったのか?さまざまな想いが交錯する中、やがて事件の裏に隠された、切なくも衝撃の真実が明らかになっていく―。主人公・利根役に佐藤健、彼を追う刑事・笘篠役を阿部寛が演じるほか、清原果耶、倍賞美津子、吉岡秀隆、林遣都ら豪華演技派キャストが集結。

昨年の4月に緊急事態宣言が発出されたことで撮影が延期された本作。緊急事態宣言が明け、撮影が開始されたが「クランクインできたときも嬉しかったんですけど、最後まで撮影ができるかも不安で」と先行きが見通せない不安を抱えつつも撮影を行ったことを明かし佐藤。今回無事観客に向けて初披露できたことについて「みなさまに届けられる日が近づいたかと思うと感慨深いです」と安堵の表情を浮かべた。

本作では、11年ぶりの共演となる佐藤と阿部だが、「阿部さんは阿部さんですね。11年前に初めてお会いした時から阿部さんでした」と阿部の印象を語る佐藤は「『TRICK』というドラマが好きすぎて、それがきっかけで役者になりたいと思ったくらい。『TROCK』で初めてご一緒させていただいたんですけど、堤監督に直談判して、初めて阿部さんとご一緒して、目の前で阿部さんが演じている姿は今でも鮮明に覚えていて。さらに深まった役柄でご一緒することができてうれしいです」と共演への思いを語った。

一方で阿部は「(11年前の共演以来)佐藤さんがやっている仕事ぶりとか見ていたので。(佐藤が演じる)利根という人物を見ながら役作りをしようと思って、佐藤さんに委ねてやっていたんですけど、非常に集中力があって素晴らしい役者さんだと改めて思いました」とコメントした。

また、「気仙沼の街並みだったり、漁船が並んでいる姿がすごく好きで。朝早く撮影したときも空気が澄んでた」とロケーションについて語る清原。倍賞も「ロケは一軒家みたいなところでいい気分で」と振り返ったが、撮影時には「うどんおいしかったですよね」と笑顔を見せる倍賞。それに佐藤は「たぶん十人分くらい食べました。おいしかったんで」と驚きのエピソードを明かした。

劇中では雨の中を走るシーンがある佐藤と阿部だが、「30年ぶりに全速力で走りました。1日で終わると思ったら2日間あったので…」と振り返る阿部は「半年間足が痛かったです」と明かし、佐藤も「長かったです」と撮影を振り返りつつ、「次の日本当にしんどくて、阿部さんに『大丈夫ですか?』って言ったら大丈夫ってことだったので、すごいなと思ったんですけど、時間差だったんです(笑)」と明かし、笑いを誘った。

最後に佐藤は「誰かが誰かに生きててほしいと思う気持ちに心を打たれました。大切な人がいるということ、そんな日常の幸せに感謝し、幸せをかみしめながら、みんなでよりよい生活を目指して考えながら、そんなことを思うきっかけになる映画になっていると思います」と本作をアピールした。

【写真・文/編集部】

映画『護られなかった者たちへ』は2021年10月1日(金)より全国で公開!
監督:瀬々敬久
出演:佐藤健、阿部寛、清原果耶、倍賞美津子、吉岡秀隆、林遣都、永山瑛太、緒形直人
配給:松竹
©2021映画「護られなかった者たちへ」製作委員会