宮本亞門演出の新作ミュージカル『カラテ・キッド』が来年春に米国セントルイスにでワールドプレミア公演が行われることが決定した。
ミュージカル『カラテ・キッド』は、1984年コロンビア・ピクチャーズ製作の大ヒット映画『ベスト・キッド』を、オリジナル映画版を執筆した著名脚本家ロバート・マーク・ケーメンが脚本、新鋭のドリュー・ガスパリーニが作詞・作曲を担当。演出は2004年に「太平洋序曲」で東洋人初のブロードウェイ・演出家デビューを果たした宮本亞門が手がける。振付はダンス界の第一線で活躍するケオネ&マリ・マドリッド。その他クリエイティブチームには、日本から前田文子が衣裳デザインを担当するほか、トニー賞受賞デザイナー陣、デレック・マクレーンがセットデザイン、ブラッドリー・キングが照明デザイン、そして日系アメリカ人の原田海が音響デザインを担当するなど、ブロードウェイの精鋭クリエイティブチームが集結しました。セントルイス公演後はブロードウェイ入りを目指す。
株式会社木下グループとゴージャス・エンターテイメントが共同製作中の新作ミュージカル『カラテ・キッド』(英題:The Karate Kid – The Musical)は、2022年春に米国セントルイスにてワールドプレミア公演を実施。ブロードウェイのトライアウト公演として、ミズーリ州セントルイス郊外のカークウッド・パフォーミング・アーツ・センターで展開される「ステージズ・セントルイス(STAGES St. Louis)」の2021-2022シーズン作品の1つとなる。本年9月からニューヨークでワークショップが開催され、来春に向けて鋭意製作進行中。
宮本亞門 コメント
オン・ブロードウェイに再度、挑戦します! アジア人演出家初めてのオン・ブロードウェイ演出から来年で18年。アメリカの地方にある劇場からスタートし、オリジナルミュージカル「カラテ・キッド」で米・ニューヨークの最高峰を目指します。日本では『ベスト・キッド』で親しまれた80年代の映画のミュージカル化ですが、映画のミュージカル化は失敗作も多く、それだけに舞台版は映画とは違う現代の視点が必要です。
我々は人類は今、あっという間にコロナ禍を経験して、不安の代償として、分断を高め、攻撃や殺戮を繰りかえしています。
そんな今だからこそ、私たちはこの舞台化で、未来を作っていく多くの人々向けて、カラテ本来の「カラテに先手なし」の精神を広げたいのです。カラテは、技を先に仕掛ける事を戒めているのではなく、争い事自体を戒めているのです。内に秘めたる力と、謙譲の心、和の精神をもって人に接すれば争い事など起こらない事を説いているのです。ですから舞台化も、主人公ミヤギの沖縄の精神も入れこみ、武器を持たず、血も流さないカラテの精神を基盤とし、大切な人を守り、目的を持って自立して生きることの精神を描きます。
また、この作品に係るスタッフ・キャスト一人一人も、未来を信じ、劇場に来ていただける観客の心に希望の火を灯そうと本気で取り組んでいます。台本は映画の原作者でもあるロバート・ケーメン氏とは、彼の経験でもあるこのストーリーを今一度紐解きながら、現代人にどう伝わるかを模索しています。またドリュー・ガスパリーニ氏の音楽は、親しみやすく、またミヤギの世界を崇高に壮大で、カラフルに、また心にも触れる歌と、美しいラブストーリーを導きます。そして振付は、キオネ&マリらにお願いして、カラテとダンス、コンテンポラリーと伝統をミックスした新たなスタイルを創りだしてもらいます。
精神性と鍛錬で、本当の強さを身につけた少年が、自分自身を変え、周りを変えていく、世界初カラテアクション・ミュージカルコメディ「カラテ・キッド」は、必ずや、国を越えて、多くの人に共感が広がり、分断とは反対の、認め合う共鳴の世界を広げるでしょう。
4年前から、ワークショップを重ねて創り上げてきた今作は、2022年にはセントルイスで、その後ニューヨークで上演予定です。どうか、皆さん、この新たな挑戦を見守ってください、応援よろしくお願いいたします。
セントルイス公演 概要
タイトル:ミュージカル『カラテ・キッド』(英題:The Karate Kid – The Musical )
日程:2022年5月25日~7月3日(予定)
劇場:カークウッド・パフォーミング・アーツ・センター(Kirkwood Performing Arts Center)メイン劇場
シアター・カンパニー:「ステージズ・セント・ルイス(STAGES St. Louis)」はエグゼクティブ・ディレクター、ジャック・レーン(Jack Lane)のもと、35周年を迎えるシアター・カンパニーで、本2021-2022年シーズンは、新しいパフォーミング・アーツ・センターに拠点を移した後の初めてのシーズン。