『岬のマヨイガ』の初日舞台挨拶が8月27日（金）に新宿バルト9で行われ、芦田愛菜、大竹しのぶ、粟野咲莉、川面真也監督が登壇した。

作家・柏葉幸子による小説「岬のマヨイガ」（講談社刊）を長編アニメーション映画化した本作。居るべき場所を見失った17歳の少女と声を失った8歳の女の子がたどりついたのは、懐かしくてすこしふしぎな伝説の家《マヨイガ》。血のつながりがない新しい家族たちとの、ふしぎだけど温かい共同生活が“岬のマヨイガ”で紡がれていく。心が優しく包み込まれる、ノスタルジック・ファンタジーな作品に仕上がっている。主人公・ユイを芦田愛菜、ふしぎなおばあさん・キワさんを大竹しのぶ、声を失った少女・ひよりを本作で声優初挑戦となる粟野咲莉が演じる。

主演の芦田は、共感したシーンについて「味噌おにぎりを縁側で食べているシーン」を挙げ、その理由について「くだらない話で盛り上がって笑いあっている姿が、まさに小さな幸せなんだな、そういう幸せが身近にある日常って素敵だなって感じた」と明かし、「私自身も学校で友達と他愛もない話をしている時間が楽しくて、そんな時間があるって幸せなんだと実感しました」と自身と重ね合わせた。

一方で、「何があってもドンと構えているところが好き。こんな風に頼れるおばあちゃんになれたらいいなと思います」と自身の役どころを明かした大竹だが、MCから“ご自身と重ね合わせたりは？”と聞かれると「私とは重ならない（笑）」と即答し、会場の笑いを誘った。

また、家族がテーマでもある本作だが、芦田は「いつもそばにいてくれて、私のことを支えてくれて、一緒にいると安心できる、ホッとできる存在です。家族が応援してくれるから私も新しいことに挑戦しようという気持ちになれます」と感謝の気持ちを口にし、粟野も「何かに困ったり、迷ったりするといつもアドバイスをくれたり、励ましてくれたり、一緒にいて安心する存在です。お父さんとお母さんを信頼しています」と笑顔で答えた。

話のテーマは“夏の思い出”に。芦田は「夏と言えば浴衣を着て花火みたいなイメージなので、来年はみんなで浴衣を着て、線香花火大会みたいなのができたらいいなと思います」と笑顔を見せた。続く大竹は「娘が小学生くらいの時に自由研究があって『心霊スポットめぐりをしたい』って（笑）」と明かし、「今思えば、“ふしぎっと”（本作に登場する優しい妖怪）たちとそこで会えていたのかもしれませんけど、見る力はなかった」と振り返った。

最後に芦田は「ひよりとユイとキワさんの3人の間に血のつながりはないけど、2人の温かさに触れてユイが少しずつ前向きに生きていけるようになる姿に共感していただけたら嬉しいです。そんな3人の姿を見て、大きな幸せも素敵だけど、何気ない日常に転がっているような小さな幸せも素敵だなって感じていただけたら嬉しいです」とメッセージを送った。

【写真・文／編集部】

映画『岬のマヨイガ』は2021年8月27日（金）に公開！
監督：川面真也
声の出演：芦田愛菜／粟野咲莉、伊達みきお（サンドウィッチマン）、富澤たけし（サンドウィッチマン）、宇野祥平、達増拓也（岩手県知事）、天城サリー／大竹しのぶ
配給：アニプレックス
©柏葉幸子・講談社／2021「岬のマヨイガ」製作委員会