『君は永遠にそいつらより若い』の特別先行上映会舞台挨拶が8月30日(月)にテアトル新宿で行われ、佐久間由衣、奈緒、小日向星一、吉野竜平監督が登壇した。

本作は、卒業間近の大学生である主人公が、なんとなく過ごす日常の中で、ふとした折に「暴力」「児童虐待」「ネグレクト」などの社会の闇と、それに伴うやり切れない「哀しみ」に直面する物語。大学やバイト先のぐだぐだした日常は軽快にユーモラスに描かれ、一方、作者の確かな問題意識と倫理観で、それら社会の闇の部分ともきちんと対峙する作品となっている。主人公の大学生・堀貝佐世役を佐久間由衣、堀貝と出会う痛ましい過去を持つ猪乃木楠子役を奈緒が演じる。監督を務めるのは吉野竜平。

冒頭では「自分の作品で涙を流してしまったのは初めて」と本作への思いを明かした主演の佐久間は「それくらい心に響く映画を見てしまったというような感覚と、素晴らしい映画に自分がかかわることができて幸せだなと純粋に思いました」と笑顔を見せた。奈緒も「原作が持つパワーが、映画の中でもそのまま残っていて。明日までがんばって生きてみようとか、人を明日まで連れて行ってくれるような作品になった」と紹介した。

そんな本作への役作りについて、クランクイン前に吉野監督と話す機会があり、その際には「役の履歴書を一緒に作っていった」と振り返る佐久間。そのことが「不安材料を少なくすることができた」と演じる上で役立ったことを明かし、さらに佐久間、奈緒、小日向で話す機会もあったという。演じる上で必要な信頼関係はその際に構築されたようで、奈緒は「由衣ちゃんと初めてお会いした日にいろんな話ができたのは、遅かれ早かれ一緒に過ごしていたら仲良くなったんだろうと思うんですけど、現場の前に作っていただけたのは大きかったです」と振り返った。

最後に佐久間は「やっとだなという思いがあって…。当たり前の日常なんて存在しなくて、生きていることだけで十分だし、それだけで素晴らしいことなんだと、この映画を通して見てる人に伝えて行けたらと思います。映画の中でたくさんの愛おしい不器用な登場人物たちが一生懸命前に向かって、社会に向かって闘っているので見届けていただきたいです」と本作をアピールした。

【写真・文/編集部】

映画『君は永遠にそいつらより若い』は2021年9月17日(金)よりテアトル新宿ほか全国で順次公開!
監督・脚本:吉野竜平
出演:佐久間由衣、奈緒、笠松将、小日向星一、葵揚、森田想、宇野祥平、馬渕英里何、坂田聡
配給:Atemo
©『君は永遠にそいつらより若い』製作委員会