『ムーンライト・シャドウ』の完成報告会見イベントが9月1日(水)に都内で行われ、小松菜奈、宮沢氷魚、佐藤緋美、中原ナナ、原作者の吉本ばななが登壇、さらにサプライズゲストとしてエドモンド・ヨウ監督がリモートで参加した。

1988年刊行、世界30か国以上で翻訳され、社会現象ともいえる大ヒットを博した吉本ばなな著「キッチン」に収録される短編小説「ムーンライト・シャドウ」は、吉本自身も「初めて他人に見せることを前提に書いた思い出深い小説」と語る作品で、ファンの中では初期の名作との呼び声も高い。そんな吉本ばななの原点とも言える名作ラブストーリーが、33年の時を経て映画となって生まれ変わる。主人公・さつきを本作が初の長編映画単独主演となる小松菜奈、さつきの恋人・等役を宮沢氷魚が演じ、以前から原作のファンだったというマレーシア出身のエドモンド・ヨウ監督がメガホンをとる。これからのアジアを牽引するフレッシュかつ実力あるキャスト・スタッフが集結した。

冒頭で「撮影していく中で孤独な時間がありました。肺に入ってくる空気さえもすごく冷たくて。やっとみんなと再会できた時のうれしさは愛おしい時間でもあり、今日こうしてみんなと顔を合わせて対面できる喜びを感じています」と言葉を噛み締めながら挨拶した小松。

その小松は演じる上では「心が一番大事なので、気持ちを持って素直に演じたいと思いました」と言い、「空気とか息をすることとか、全部を身に沁みながらこの役を全身全霊で演じたいと思いました。まっすぐ現実を見たいと思いました」とこの役にかけた想いを語った。

冒頭の挨拶でも「一番ここにいたかったと思うエドモンド監督は、ここに来ることはできなかった」と残念そうに語った小松だったが、イベントの終盤で登壇者にサプライズでマレーシアに在住のエドモンド・ヨウ監督と中継で登場。笑顔があふれるキャストたちを前に、エドモンド監督は「撮影中は毎日興奮していました。驚きに満ちていました。役者のみなさんのことを信頼したうえで、みなさんがキャラを演じることを喜びに感じていました。監督にとってこういう気持ちを与えてくれる役者はとても必要なことで大事な方です」と小松の印象を語った。

また、宮沢、佐藤、中原も含めて「4人といれたことは幸せでした。僕が選んだこの4人のキャラクターは間違いないですし、ほかの人が演じることは全く考えられないです」と称賛した。

最後に宮沢は「希望を見つけようと必死に生きる人々が描写されています。みなさんの背中を押すような作品になったらいいなと思って作りました。この思いが届いて、希望を持ってもらえたらうれしいです」、小松は「映画を見て、自分なりの一歩でいいんだなと背中を押してもらえたような感覚になる映画でした。きっと私たちが届けたかったものが映っていると思います」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

映画『ムーンライト・シャドウ』は2021年9月10日(金)より全国で公開!
監督:エドモンド・ヨウ
出演:小松菜奈、宮沢氷魚、佐藤緋美、中原ナナ、吉倉あおい、中野誠也、臼田あさ美
配給:エレファントハウス
©2021映画『ムーンライト・シャドウ』製作委員会