12人の映画監督による12の物語―『DIVOC-12』の上田慎一郎監督の予告映像と4作品の場面カットが解禁された。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けているクリエイター、制作スタッフ、俳優が継続的に創作活動に取り組めるように、12人の映画監督による12本の短編映画製作プロジェクト『DIVOC-12』。中核となって牽引する藤井道人監督、上田慎一郎監督、三島有紀子監督の元に集い共に映画制作を行うのは、“成長への気づき”というテーマを掲げる藤井道人監督チームの志自岐希生監督、林田浩川監督、廣賢一郎監督、“感触”というテーマでメガホンを取る上田慎一郎監督チームのふくだみゆき監督、中元雄監督、エバンズ未夜子監督、そして“共有”というテーマで制作する三島有紀子監督は山嵜晋平監督、齋藤栄美監督、加藤拓監督。
今回、“感触”をテーマに制作する上田慎一郎監督チームの予告映像が解禁された。完全オリジナルストーリーからなる12本の作品から上田慎一郎監督チーム4作分の予告映像は、上田慎一郎監督の『ユメミの半生』から始まる。「聞いてみる?わたしの半生」とユメミ(松本穂香)が閉館を待つ映画館に足を運んだ映画監督志望の少年・カケル(石川春翔)に話しかけると、ユメミのまるで映画のような壮絶な半生が語られる。白黒の映像からカラーに変わり、ユメミとユメミの初恋の人・テツオ(小関裕太)のロマンチックなラブシーンが描かれ、次第には地球の命運を賭けた壮絶な戦いが映し出されており、上田監督の映画愛が凝縮された究極のエンタテインメント作品に仕上がっている。ユメミとカケルが出会う映画館は池袋シネマ・ロサで撮影され、上田監督のミニシアター愛も作品の中で感じることができる内容だ。
ふくだみゆき監督作品『魔女のニーナ』では、イギリスから来た見習い魔女のニーナ(安藤ニコ)が魔法を使ってティーセットを出した姿を、家出少女のめぐ(おーちゃん)が木陰から「今のどうやったの?」とニーナに尋ねる様子が映し出される。クラシックミュージカルのように歌に合わせて踊りながら魔法を披露するニーナとめぐとの冒険が描かれ、一人前になりたい2人の成長物語となっている。また、ミュージカルシーンの歌唱を、世界中のミュージカルに参加する しらたまな が担当しており、ダンス、歌と本格的なミュージカルを堪能できる仕上がりだ。
中元雄監督作品の『死霊軍団 怒りのDIY』は、ホームセンターでゾンビに襲われ絶体絶命の危機にさらされているバイトのサイトー(高橋文哉)を助けるべく、サングラスをかけ武器を装備した先輩のマリ(清野菜名)が「パーティーはお開きよ!」と決め台詞で登場するインパクトあるシーンから始まる。カンフーアクションを操り次々とゾンビを血祭りにあげていくマリの勇ましさ、中元監督のゾンビ映画愛、そして何よりも女優・清野菜名のブルース・リー顔負けのアクションを堪能できる仕上がりとなっている。
最後にエバンズ未夜子監督作品『あこがれマガジン』は、「変な映画?」と問いかける友達のミオ(横田真悠)に「鏡の中の女の子の話」とアイドルのナオ(小川紗良)が微笑みながら答える様子が映し出される。可愛くもどこか不穏な音楽にのせて、ミオの言葉を強く否定をするナオやなぜかアイドル姿のミオがテレビで歌っている様子が流れるなど、不思議な空気感に包まれている。夢か現実か、何者かになりたい少女の気づきの物語となっている。
上田監督は、“感触”というテーマについて「コロナ禍って“感触”が失われていた時期だったと思ったんです。人に触れるということもそうですし、音楽とか演劇とか映画館で映画を見るという生でエンターテイメントを味わうという“感触”も失われていた時期でした。それをテーマに、“感触”とは何なのか”“感触が失われた時期は一体どういうことだったのか”というのを探せたらいいなと思っています。」と語り、「あまり限定的なテーマにするといけないなと思っていて、一言に感触と言っても、チーム4人の監督の感触が違うという意味もありますし、コロナ関係なく時代的にデジタル化が進んでいて、本が電子書籍になったり、音楽はCDではなくサブスクで聞いたりしていますよね。モノの感触がどんどん無くなっている時代だと思うので、そのような意味でもチーム4人それぞれが“感触”を見つけて、それを探す映画になればいいんじゃないかと思いました」とコメントしている。
予告映像
映画『DIVOC-12』は2021年10月1日(金)より全国で公開!
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
©2021 Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc.