『浜の朝日の嘘つきどもと』の公開記念舞台挨拶が9月11日(土)にシネスイッチ銀座で行われ、高畑充希、柳家喬太郎、大久保佳代子、タナダユキ監督が登壇した。

震災後の福島・南相馬に実在する映画館「朝日座」を舞台に、東京の映画配給会社に勤めていた福島県出身26歳の茂木莉子(本名:浜野あさひ)が、病に倒れた敬愛する恩師との約束を守るため閉館寸前の映画館の再建に向け奔走する本作。オリジナル脚本を執筆したタナダユキ監督が自らメガホンをとる。主人公・茂木莉子役には高畑充希。「朝日座」の支配人・森田保造役には落語家・柳家喬太郎。莉子の高校時代の恩師・田中茉莉子役には大久保佳代子。映画のアフターストーリーを描いたドラマが福島中央テレビ開局50周年記念作品として昨年10月30日に放送された。

10日(金)に全国公開を迎えた本作で主演を務めた高畑は「去年のちょうど暑い時期に撮影をしていました。自粛期間明けの最初の仕事で、気持ちもままならないうちに福島県に入ったんですけど、タナダ監督の映画愛と、福島の空気感に癒されて東京に帰ってこれた時間だった」と感慨深げに振り返った。そんなキャスト陣と久しぶりの再会となった喬太郎だが、立ちながらの舞台挨拶に「こういうのは慣れてないです(笑)」と笑いつつも、「みなさんとご一緒できてありがたく嬉しく思っています」と笑顔を見せた。

そんな2人のやり取りは劇中でも見どころの一つとなるが、「クランクインして初日から『黙れジジイ』みたいなセリフがあって(笑)最初から“ごめんなさい”と謝って気にせずに言っていたら、言われている師匠の顔が途中からかわいく思えてきて、どんどんエンジンがかかっちゃったことを反省しています」と振り返った高畑。これに喬太郎は「『黙れジジイ』みたいなことはしょっちゅう言われているので」と笑いつつ、「ただ高畑さんみたいにかわいい方に言われることはないので快感でしたね。この時間がずっと続けばいいと思いました」とコメントし、笑いを誘った。

また、「撮影期間からずっと“キョンキョン”って呼びたくて…」という高畑は「今日呼ぼうと思って意志をもって家を出たんですけど、さっき舞台裏で師匠が『“キョンキョン”でいいですからね』って言ってくださって、初キョンキョンを達成しました。キョンキョン」と報告。これに喬太郎は「本当に恥ずかしいですね」と赤面する場面もあった。

これまでプロモーションで活動を共にしてきた高畑と大久保だが、取材時に2ショットでの写真撮影を行った際に「あまり人と触れ合うのに慣れてなくて、近場でってできないんです。充希さんは慣れてるから、ガバッてバックハグをしてきて“なんだろう、この魔性の女は”と思いながら、“首から加齢臭してないかな”とかドキドキしながら取材を乗り越えた(笑)」と明かし、これに高畑は「(加齢臭は)してないです、いい香りです(笑)」と返し、笑いを誘った。

最後に高畑は「今作るための映画を今作れたと思います。ごちゃっとした出来事もいい具合にユーモアを加えながら、温かい目線で刺さるんだけどくすっと笑えたり。映画館を出た後に1.5㎏くらい体重が軽くなるような映画です。今だからこそ、いろんな方に見ていただきたい映画になりました」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

映画『浜の朝日の嘘つきどもと』は全国で公開中!
脚本・監督:タナダユキ
出演:高畑充希/柳家喬太郎、大久保佳代子/甲本雅裕、佐野弘樹、神尾佑、竹原ピストル/光石研/吉行和子
配給:ポニーキャニオン
©2021 映画『浜の朝日の嘘つきどもと』製作委員会