第34回東京国際映画祭のラインナップ発表会見が9月28日(火)に都内で行われ、フェスティバル・アンバサダーに就任が決定した橋本愛らが登壇した。
10月30日(土)~11月8日(月)の10日間にわたって、日比谷・有楽町・銀座地区で開催される第34回東京国際映画祭。本映画祭は2004年から六本木を中心に開催されてきたが、今回日比谷・有楽町・銀座地区に移転。プログラミング・ディレクターには市山尚三が新たに就任した。なお、コンペティション部門の審査委員長にはイザベル・ユペールが就任することが発表されており、会期中は来日を予定している。
今回の会見には、フェスティバル・アンバサダーに就任した橋本愛、「Nippon Cinema Now」部門で特集される吉田恵輔監督らが登壇。フェスティバル・アンバサダーに就任した橋本は、本映画祭について「日常の延長戦にあったりする」と身近な存在だったことを明かした。さらに、「自分の人生を丸ごと救われたような体験をさせていただきました。映画に助けてもらったということがこの映画祭をきっかけにありました」と語る橋本は、『エンドレス・ポエトリー』を鑑賞した際に「『愛されなかったから愛を知ったんだ』という言葉があって、得られなかったからこそ、自分が何を欲しいか分かる。自分の人生を変えてくれた」と語った。
また、フェスティバル・アンバサダーとして「お一人お一人の生活の中に、いい意味ではびこっていけたらいいなという思いがある。水面下で人生の中のもっと大きな一部になっていけるように」と映画文化のさらなる発展を願った。
「Nippon Cinema Now」部門で特集が組まれる吉田監督は「僕でいいんですか?みたいな気持ち」と戸惑いを隠せない様子で「スーツ着てる人が多そうで」と笑いを誘った。そんな吉田監督は「ジャッキー・チェンに会いたいから映画好きになっていったという感じ」と明かし、
「僕も映画に救われた」と橋本の意見に共感していた。
さらに、「トークシリーズ@アジア交流ラウンジ」については、映画監督の是枝裕和からビデオレターが紹介され、「継続することが大事」と強調し、昨年の反省点を踏まえて「改善しつつ楽しんでいただけるかが大切」と語った。
既に発表されているオープニング作品、クロージング作品、ガラ・セレクション部門10作品に加えて、「コンペティション」、「アジアの未来」、「ワールド・フォーカス」、「Nippon Cinema Now」、「日本映画クラシックス」、「ジャパニーズ・アニメーション、「ユース」、「TIFFシリーズ」の各部門の上映作品、さらに「トークシリーズ@アジア交流ラウンジ」の実施が発表された。
コンペティション部門では、今年から「アジアプレミアという規約をなくして、ジャパンプレミアに変えた」と“プレミアにこだわらない”姿勢を見せたが「結果的に選ばれた作品は、11本がワールドプレミア、4本がアジアプレミア」と貴重な作品が揃ったことを明かした。また、日本映画スプラッシュ部門がなくなり、日本映画も合わせて競う形のアジアの未来部門は全10本がワールドプレミアとなる。
コンペティション
『アリサカ』(フィリピン/ミカイル・レッド監督/90分)
『カリフォルニー』(イタリア/アレッサンドロ・カッシゴリ監督、ケイシー・カウフマン監督/81分)
『クレーン・ランタン』(アゼルバイジャン/ヒラル・バイダロフ監督/100分)
『ザ・ドーター』(スペイン/マヌエル・マルティン・クエンカ監督/122分)
『その日の夜明け』(スリランカ/アソカ・ハンダガマ監督/108分)
『四つの壁』(トルコ/バフマン・ゴバディ監督/114分)
『オマージュ』(韓国/シン・スウォン監督/108分)
『ちょっと思い出しただけ」』(日本/松居大悟監督/115分)
『市民』(ベルギー、ルーマニア、メキシコ/テオドラ・アナ・ミハイ監督/140分)
『一人と四人』(中国/ジグメ・ティンレー監督/88分)
『もうひとりのトム』(メキシコ、アメリカ/ロドリゴ・プラ監督、ラウラ・サントゥージョ監督/111分)
『復讐』(フィリピン/ブリランテ・メンドーサ監督/105分)
『ある詩人』(カザフスタン/ダルジャン・オミルバエフ監督/104分)
『三度目の、正直』(日本/野原位監督/112分)
『ヴェラは海の夢を見る』(コソボ、北マケドニア、アルバニア/カルトリナ・クラスニチ監督/87分)
ガラ・セレクション(※発表済)
【オープニング作品】『クライ・マッチョ』(アメリカ)
【クロージング作品】『ディア・エヴァン・ハンセン』(アメリカ)
『GENSAN PUNCH 義足のボクサー(仮)』(フィリピン)
『タミー・フェイの瞳』(アメリカ)
『チュルリ』(インド)
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(ニュージーランド、オーストラリア)
『Hand of God -神の手に触れた日-』(イタリア)
『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(アメリカ)
『MEMORIA メモリア』(コロンビア、タイ、イギリス、メキシコ、フランス、ドイツ、カタール)
『ラストナイト・イン・ソーホー』(イギリス)
『リンボ』(香港)
『Raging Fire(英題)』(香港、中国)
※そのほか、全ラインナップは 東京国際映画祭公式サイトにて掲載
第34回東京国際映画祭は2021年10月30日(土)~11月8日(月)に日比谷・有楽町・銀座地区で開催!
©2021 TIFF