凶悪な殺人鬼による忌まわしき都市伝説を描いたカルトホラー映画『キャンディマン』の本編映像が解禁された。
舞台は、シカゴに現存した公営住宅地区。その界隈では、鏡に向かって5回その名を唱えると、右手が鋭利なフックになった殺人鬼に体を切り裂かれるという都市伝説が語り継がれていた。老朽化した最後のタワーが取り壊されてから10年経ち、恋人とともに新設された高級コンドミニアムに引っ越してきたヴィジュアルアーティストのアンソニーは、創作活動の一環としてキャンディマンの謎を探求していたところ、公営住宅の元住人だという老人から、その都市伝説の裏に隠された悲惨な物語を聞かされる。アンソニーは恐ろしい過去への扉を開いてしまった……。
アメリカに実在する公営住宅地カブリーニ=グリーンに言い伝えられる殺人鬼“キャンディマン”の都市伝説について描かれる本作。今回解禁された本編映像には、主人公アンソニーと恋人ブリアンナ、そしてブリアンナの弟トロイ、トロイの恋人グレイディの4人が、カブリーニ=グリーンに纏わる恐ろしい実話について話すシーンが収められている。トロイが「物語の主人公はヘレン・ライルという女性だ。白人大学院生で、論文は“カブリーニ=グリーンの都市伝説”」と話し始めると、切り絵の演出でトロイが語るヘレンの物語が映し出されていく。不気味がりながらも「ウソだな」と笑い飛ばすアンソニーだが、トロイに「記事になっている。調べろ」と真面目な顔で制止され、次第にカブリーニ=グリーンで起こった出来事に没頭することとなる…。
ヘレン・ライルは1992年に公開された映画『キャンディマン』のヒロイン。随所で約30年前の『キャンディマン』の出来事が散りばめられ、前作ファンも楽しめるギミックがいくつか含まれている。本作で製作を務めたジョーダン・ピールは、92年の『キャンディマン』の大ファン。劇場公開当時13歳だったピールはアメリカのメジャー映画で初めて黒人が主人公かつ敵役として登場した『キャンディマン』に感銘を受けたそうで、当時を振り返り、「子どもの頃からホラーが好きだったけど、黒人のフレディ・クルーガーもジェイソン・ボーヒーズもいなかった。だから『キャンディマン』が登場したときはとても大胆でカタルシスを感じた。ホラー映画に黒人が登場する例はたくさんあるが、この作品は私にとって特に凶悪なものとなった」と明かしている。
自身が新たに手がけようと思った理由については「オリジナルの映画では、ヘレンの視点からキャンディマンの伝説を探っていた。しかし、あの映画は私に黒人映画のような印象を与えた。私のための映画だ。だからこのゴーストストーリーを黒人の視点から見た映画を作りたかったんだ」と熱い思いを語っており、ピールの手によってキャンディマンの物語がどのように現代に蘇らされるのが期待が高まる。
ヘレン・ライルのことが劇中で語られるだけでなく、キャンディマンを演じたトニー・トッドや、赤ちゃんを誘拐された母アン役のヴァネッサ・ウィリアムズが出演することでも話題になっている本作だが、オリジナル版のファンはそのような小ネタも。未見の人はジョーダン・ピールの巧みな手腕によってアップデートされた本作をまっさらな気持ちで堪能し、散りばめられた謎を紐解きながら楽しめる。
本編映像
『キャンディマン』は2021年10月15日(金)より全国で公開!
監督:ニア・ダコスタ
出演:ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、テヨナ・パリス、ヴァネッサ・ウィリアムズ
配給:東宝東和
© 2021 Universal Pictures