美しくも残酷なダークファンタジー『ほんとうのピノッキオ』の場面写真が解禁された。
100年以上にわたって世界中で読み継がれるイタリアの児童文学「ピノッキオの冒険」。ディズニー・アニメーションで広く親しまれ、ギレルモ・デル・トロ、ロバート・ゼメキスによる新作も製作進行している。しかし、誰もが思い浮かべるのは“嘘をつくと鼻が伸びる”エピソードであり、この主人公の実像を知る人は少ない。無邪気な操り人形に見せかけて、実は行く先々でトラブルを巻き起こす、“悪童”だということを―。そんな原作の世界観をイタリアの名匠マッテオ・ガローネが美しくも残酷に描く。父親ジェペットの家を飛び出し、おとぎの森の奥深くへと誘われたピノッキオが、数々の世にも奇妙な生き物に遭遇しながら、奇想天外な冒険を繰り広げる。
世界中で愛される名作童話の知られざる“ほんとうのピノッキオ”の映画化を実現させたのは、カンヌ国際映画祭コンペティション部門の常連であり、『ゴモラ』『リアリティー』の2作品でグランプリを受賞したイタリアの鬼才マッテオ・ガローネ。6歳のときに初めて「ピノッキオ」のストーリーボードを描いた逸話を持つガローネ監督が、そんな念願のプロジェクトに取り組むにあたってイタリア国内外の一流スタッフを招集した。
『ハリー・ポッター』シリーズや『ボヘミアン・ラプソディ』など多くの話題作で特殊メイクを手掛け、新作の公開が待たれるウェス・アンダーソン監督の『グランド・ブダペスト・ホテル』、さらにメリル・ストリープ主演の『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』で2度のアカデミー賞に輝いたマーク・クーリエや、ガローネ作品の常連スタッフであり、ガローネ監督がディレクションした2020-2021秋冬のDiorオートクチュールコレクションの特別映像「LE MYTHE DIOR」でも衣装デザイナーを務め世界を魅了したマッシモ・カンティーニ・パリーニら一流クリエイターがタッグを組み、恐ろしくも美しいダークファンタジーの世界を表現。絢爛にして独創的なビジュアルで魅せる。
その結果は、2020年にイタリアのアカデミー賞にあたるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で衣装デザイン賞・メイクアップ賞・ヘアスタイリスト賞ほか5部門で見事受賞を果たし、翌年の英国アカデミー賞ではメイクアップ&ヘア賞、米アカデミー賞では衣装デザイン賞・メイクアップ&ヘアスタイリング賞にそれぞれノミネートされたことからもそのクオリティは証明済みだ。
今回、細部までこだわり抜かれた本作の特殊メイク、衣装デザインが目を引く場面写真が解禁された。ピノッキオが旅のさなかで出逢うキツネやカタツムリなど、動物と人間とが絶妙なバランスでハイブリッドされた奇妙な生き物たち&ターコイズブルーのカールしたヘアを持つ妖精の特殊メイク、そして彼らが暮らすおとぎの国の世界観と同時にピノッキオが生まれた19世紀後期を思わせる繊細でディテールに凝った衣装の数々は一見するとまるで絵画のようで、息を吞むほど美しい。本作の幻想的な世界観を表現する上で欠かすことのできないエッセンスである。
「観る者を魔法の世界に入り込ませ、キャラクターと一緒にいるような気持ちにさせなくてはいけない」と語るガローネ監督が、なかでも一番苦労したというのがピノッキオの特殊メイク。驚くほどリアルに再現されたピノッキオの顔の木目は誰もがCGと見間違うほど。撮影当時8歳だったピノッキオ役のフェデリコ・エラピは3か月もの期間中、毎日4時間この特殊メイクをこなして撮影に臨んだという。これには、多くの作品で特殊メイクを手掛けるマーク・クーリエも「1週間や2週間ならまだしも、3か月もなんて誰もやったことがない」と前代未聞の試みだったと明かしている。
映画『ほんとうのピノッキオ』は2021年11月5日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開!
監督・共同脚本:マッテオ・ガローネ
出演:ロベルト・ベニーニ、マリーヌ・ヴァクト
配給:ハピネットファントム・スタジオ
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