『ひらいて』の公開記念舞台挨拶が10月23日(土)に公開記念舞台挨拶で行われ、山田杏奈、作間龍斗、芋生悠、首藤凜監督が登壇した。
女性から圧倒的な支持を得る芥川賞作家・綿矢りさが、高校生による禁断の三角関係を描き、人間の根源的な愛を問う文芸少女のバイブルとなった小説「ひらいて」を、弱冠26歳・新進気鋭の若手監督・首藤凜が脚本・監督を務めて映画化。恐れを知らない女子高生の熱い恋心が、勢いあまり、意中の彼の恋人にまで向けられる、エキセントリックでありながらも切実な純愛を描き、いかなる恋愛映画も及ばなかった境地に行き着く、青春映画の系譜を飛び越えた本作。主人公の女子高生・木村愛役を山田杏奈が演じる。
「私自身は愛というキャラクターをなかなか理解できない部分があった」と苦悩があったことを明かす主演の山田だが、「うらやましい部分はあります。あそこまで思い切って行動できたらなとか。人間くさくて素敵なキャラクターだと思いました」と自身との違いを捉えていた様子。
本作が映画初出演となる作間は「役作りとか演技とか、そういうものに関わってこなかった」と初めてだらけの撮影現場だったことを明かし、「中身は作間を封印して、佇まいだけの作間で挑んだ感じです。感じるままにやってみたということが多かった」と振り返った。
作間は劇中で山田演じる愛と、芋生演じる美雪という正反対の2人に愛されることになるが「すごいところにたとえくんは立ってますよね。僕自身たとえくんはうらやましいですけど、ちょっと大変そうですけど」と振り返り、さらにセリフによっては辛いものもあったようで「苦しくて、言ってる僕自身も泣きたくなってきた」と明かした。そんなセリフを受ける側の山田も「お芝居していても食らってました」と当時の心境を語った。
首藤監督にとって思い入れの深い原作ということで、山田は「楽しさはありつつ、プレッシャーはもちろん感じていました」と明かし、撮影中には「現場で話させてもらって、その中で生まれるものを撮ってくださっていた」と監督とのディスカッションがあったという。一方で作間は「言葉としてはたくさん会話した感じじゃなかった」と明かしつつも、「(本読みで)お会いしたときに『猫背で歩いてみて』って言われたんです。そこから猫背にして、私生活を過ごしてみようと思って見事に猫背になったんです」と笑いを誘いつつ、「監督の伝え方も僕的にはありがたいもの」とコミュニケーションを取っていたことを明かした。
最後に山田は「昨日公開になってすごく調べてるんです。感想を読んで、こんなに多くの方に届いちゃってるんだと怖い思いもありつつ、一人一人に“どうでしたか?”って聞きまわりたいくらい、私にとっても思い入れのある作品になって。闘った記録みたいなものを生み出したものを、一人一人が感じていただけたら幸せです」とメッセージを送った。
【写真・文/編集部】
『ひらいて』は全国で公開中!
監督・脚本:首藤凜
出演:山田杏奈、作間龍斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)、芋生悠、山本浩司、河井青葉、木下あかり、板谷由夏、田中美佐子、萩原聖人
配給:ショウゲート
©綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会