『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”』の日本外国特派員協会記者会見が10月25日(月)に行われ、松本潤、堤幸彦監督が登壇した。

嵐20周年を記念して、2018年11月から2019年12月まで1年以上にわたって計50公演を開催、1ツアーとして日本史上最大の累計237万5,000人動員を記録した「ARASHI Anniversary Tour 5×20」のツアー中、1日限りで開催したシューティング・ライブの様子を堤幸彦監督たち錚々たるスタッフが撮影。嵐が5人だから見られた景色、52,000人の観客が5人と一緒に見た景色を計125台のカメラで余すことなく記録した。

冒頭で松本は「この映画が日本の皆さんのみならず、世界中のたくさんの人たちに楽しんでもらえることを願っています」と挨拶。これまで嵐の公演の演出・プロデュースを担当してきた松本だが、嵐として初のライブフィルムとなった本作について「この映画作品のコンサートのディレクションをやらせていただいたことを光栄に思ってます。この作品をやるにあたって、自分たちが2020年いっぱいで活動を休止をすることが決まったタイミングで、嵐としてライブフィルムを作ったことがなかったので、結果的に20周年のライブをたくさんの人に見てもらえることになったので、映像としてしっかりと残しておきたいと自分たちも思いましたし、スタッフにもそういう考えがあると聞き、デビューする前からお世話になっている堤さんに監督をやっていただきたいという話をして、承認していただいたところからスタートしました」と企画の経緯を説明した。

嵐の初主演映画『ピカ☆ンチ LIFE IS HARD だけどHAPPY』(2002)を監督した堤監督は、今回に嵐と組んで「久々にお会いして仕事をした印象を言えば僕の中ではほとんど変わっていない。最初に出会った時の優しいイメージと変わっていない。もちろんこの日本の厳しい芸能界のトップを走るグループですから、仕事に対する厳しさはずっと保ち続けているのも僕の中では変わっていない。例えて言うなら親戚のおじさんというような気分です」と話すと、それに対し松本は「嬉しいです(笑)」と照れながら応えた。

コンサートの演出に関わる松本だが、本作について方向性や意見などで堤監督と事前に共有されていたものはあったのかという質問に、松本は「堤さんに忙しい中コンサート会場に足を運んでもらって何度も見てもらいました。その中で、この曲はこういうことをやっているから撮り逃さないでほしい、この曲はこのイメージで作っているのでそのイメージを大事にしてほしい、というリクエストをさせていただきました。あとは125台のカメラで撮っていたので基本的には余すところがないので、編集の段階でちょっと僕からもリクエストすることはありましたが、あとは堤監督にお任せしました」と堤監督との信頼関係もうかがわせた。

堤監督も「大変綺麗に構成された舞台だったんですね。私も舞台の演出家の一人ではありますが、ほれぼれするくらいのステージを作り上げられていました。通常そこに撮影のカメラが邪魔したりするのはあまりよろしくないんですが、ある程度のルールをキープしてくれれば好きに撮ってくれ、ということでジャニーズさんの中では例がないようなワイルドな撮影をさせていただきました。生涯記憶に残る仕事でした」と嵐のコンサートの完成度の高さについてコメントした。

完成した本作を見て松本は「僕自身は2018~19年の約2年にかけて回っていたツアーで50本くらい(コンサート)をやっていたので、(コンサートの)内容は映画を撮影する日には固まっていたので、細かいことをやるというよりは、いかに歌を届けるか、会場のファンの方々とどういう空間を作れるかという部分に集中できたライブだと思ってます。出来上がった映像を見て、堤監督が狙って撮ったということがポイントだと思いますけど、本当に自分たちが3時間半のライブの中で何を感じて、何をファンの人たちに届けようと思ったのかが強く映像に出ていると思います。親戚のおじさんじゃないと撮れない近さがあるというか(笑)堤さんの愛も感じますし、なにより会場にいたファンの人たちと僕らの愛が如実に表れているんじゃないかと感じました」とライブを思い返しながら語った。

“お気に入りシーン”については「舞台を作って、それを僕が撮って、それを観た舞台の演出家から答えていただいた方がいいかと思います」と堤監督に回答を促された松本は「噓でしょ(笑)」と仲の良さが垣間見せ、「基本的にシームレスにつながるものが僕は好きなんですね。ブロックで分けるというよりはなるべくシームレスにいきたいと思って作りました。ライブ会場でライブを見る体感と、映像で見る体感は違ったりするので、本当だったらあと1秒長いところを、映像ではもう1秒早く来た方が見やすいとか、もうちょっと音が早くきたほうが聞きやすいみたいなことは計算して作ったので、映像になった時にその繋がりがよく見えるんじゃないかと思います」と答えた。

本作は2021年6月に上海国際映画祭でワールドプレミアが行われ、中国の全国からファンが詰めかけるほどの熱狂ぶりとなった。今回の会見について世界中のFCCJの記者に向けて発表すると世界中の記者からそれぞれの国での公開についての問い合わせのメールが寄せられたことを司会から知らされると、松本から「10月25日時点ですでに台湾、香港、マカオ、シンガポール、インドネシア、マレーシアの6つの地域での公開が決定しており、今後中国や韓国、ブルネイなど世界各地での公開に向けて調整をしております」と発表された。

最後に堤監督は「いま私たちができる最大の力を集めて作ったライブフィルムです。ドルビーシネマというシステムで観ていただくと、より臨場感が楽しめると思いますので、ぜひたくさんの人に見てもらえたらと思います」と挨拶。続けて松本は「撮影したのが2019年の年末、東京ドームで撮影させていただきましたけれども、ありがたいことにお客さんが満杯の状態で映像作品を撮影することが出来ました。今この国で、まだエンタメが元通りの環境になっていないということも、同時にこの作品を見ると感じる部分があると思います。自分たち含めてエンターテインメントが少しづつ回復していく、そんな願いも込めてたくさんの人にこの作品が届いたらいいなと思いますし、ここからまたみんなで楽しめるエンターテインメントを作れたら、それを楽しんでいただけたらと思っています」とコメントした。

『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”』は2021年11月3日(水・祝)よりドルビーシネマ限定で先行公開、11月26日(金)より全国で公開!
配給:松竹
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