『明け方の若者たち』のプレミア上映会が11月14日(日)にTOHOシネマズ日比谷で行われ、北村匠海、井上祐貴、原作者のカツセマサヒコ、松本花奈監督が登壇した。

カツセマサヒコの青春恋愛小説『明け方の若者たち』(幻冬舎)を映画化した本作。主人公の<僕>役を北村匠海、明大前の飲み会で<僕>が一目ぼれする<彼女>役を黒島結菜、新入社員の<僕>の同期で後に親友となる<尚人>役を井上祐貴が演じる。近くて遠い2010年代のリアリティ溢れる青春劇の映像化に挑戦するのは、幅広いジャンルで活動をしており、実写版『ホリミヤ』でも監督を務めた松本花奈監督。

今回、自身初の小説が映画化されたことに「驚き以上に嬉しい気持ちがこみ上げていて、実感もわかないまま今に至っています」と心境を語った原作者のカツセ。そんな小説を映画化するにあたって「内面の心情がセリフではないト書きとして書かれていたので、映画にするときにどういう風にしたらいいんだろうというのは悩みました」と明かした松本監督。

その苦労の元で生まれた本作で主人公<僕>役を演じた北村は「カツセさんに自分の人生を覗かれていたのではと錯覚に陥るくらい、出てくる場所や音楽が自分の過去の思い出に寄り添っていて。どれも僕自身が思い入れが詰まっている場所」と撮影を振り返った。さらに「雨のパレードの『Tokyo』という曲だったり、my hair is badの『真赤』という曲」と自身が過去に聞いていた曲とのリンクがあったことも明かした。

その親友・尚人役を演じた井上は、北村との撮影を「楽しかったです。思い出を共有していくにつれて、こう過ごしていたんだと思うと懐かしい気持ちになって。ずっと食べ物の話か、趣味の話か、思い出話をしていました」と撮影を振り返った。

そんな舞台となった下北沢については「みんなが渋谷に行くところを僕は背中を向けて下北沢に行く。傍から見たら変なひねくれ方をしてる高校生だった」と明かし、「サブカルに生きてやろうと。当時前髪パッツンのテクノカットでした。それも学校に対するアンチテーゼだった」と懐かしむ場面もあった。

また、作品の内容にちなみ“自身の沼だったこと”を聞かれた井上は「ゲームアプリです」と即答し、「絶対に欲しいアイテムがあるんです。その期間が終わったらゲットできないんです」と力強く説明し、「ゲーム好きなんですけど課金は抑えようと」と言うと、北村は「偉いですね。僕はいまだに重課金勢って言われてますから」と明かし、会場の笑いを誘った。

最後に北村は「今を生きる人にとっては何かの助けになる作品になっていると思います。景色とかを思い返しながら見てもらえたらうれしいです。生々しく、リアリティのあるシーンがいっぱいありますが、自分と重ね合わせる人が多いんじゃないかなと思っています」と本作をアピールした。

【写真・文/編集部】

『明け方の若者たち』は2021年12月31日(金)より全国で公開!
監督:松本花奈
出演:北村匠海、黒島結菜、井上祐貴、山中崇、楽駆、菅原健、高橋春織、三島ゆたか、岩本淳、境浩一朗、永島聖羅、木崎絹子、寺田、ムロラン、田原イサヲ、わちみなみ、新田さちか、宮島はるか、佐津川愛美、高橋ひとみ/濱田マリ
配給:パルコ
©カツセマサヒコ・幻冬舎/「明け方の若者たち」製作委員会