『ひらいて』の大ヒット御礼舞台挨拶が11月23日(火・祝)に池袋HUMAXシネマズで行われ、作間龍斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)、芋生悠、首藤凜監督が登壇した。
女性から圧倒的な支持を得る芥川賞作家・綿矢りさが、高校生による禁断の三角関係を描き、人間の根源的な愛を問う文芸少女のバイブルとなった小説「ひらいて」を、弱冠26歳・新進気鋭の若手監督・首藤凜が脚本・監督を務めて映画化。恐れを知らない女子高生の熱い恋心が、勢いあまり、意中の彼の恋人にまで向けられる、エキセントリックでありながらも切実な純愛を描き、いかなる恋愛映画も及ばなかった境地に行き着く、青春映画の系譜を飛び越えた本作。主人公の女子高生・木村愛役を山田杏奈が演じる。
公開から1か月を迎えた本作だが、主人公・愛の片想い相手たとえ役を演じた作間龍斗は、周囲からの反響について「地元の友達や親戚など、たくさんありましたね!ムズムズしたと。普段の作間を知っている方からは、あの感じは想像できないと(笑)でも映画自体は面白くて、考えさせられたとおっしゃっていただきました。今のところ悪い評価はありがたいことになくて、いい経験をさせていただいたので、そうやって言っていただくのは嬉しい」と笑顔を見せた。たとえの秘密の恋人・美雪役を演じた芋生は「私は清水崇監督からLINEがきて『泣いちゃった』と。愛ちゃんと美雪の2人の関係が好きだったそうです」と明かした。
芋生が「作間さん、現場ではこんなに明るくないですよね(笑)」と現場の様子を明かすと、作間も「たとえに引っ張られていた感じがあるんですかね。でも100均に行ってマジックキットを買って来てチェーンにリング通せるかとか、みんなに見せたりしてたんですけど(笑)」と撮影現場での様子を振り返った。
今回の舞台挨拶では観客からの質疑応答が行われた。劇中の東京に向かうたとえに美雪がホッカイロを渡すシーンについて作間は「あの時の僕は、ほぼ素です(笑)あの量がバッグから出てくると思わないじゃないですか。10袋くらい詰まっているのが2つくらい出てきて、面白くて笑いましたね(笑)」と振り返ると、芋生も「笑っちゃわないようにしていた」といい、首藤監督も「美雪の天然のところが出ているシーンですね(笑)」と数少ない2人のシーンの裏側を明かした。
また、作間は「たとえは、この落ち着きのない感じ、目線の移動、へらっとしている所をなくすようにはしましたね」と落ち着きのない仕草をステージ上で見せ、「動いてないと本当に死んじゃうんですよ。逆にたとえはビクともしないんで(笑)」と作間自身との違いに苦戦した様子。一方で芋生は「たとえ君と愛ちゃんとの関係性はずっと意識していた」と明かした。
たとえが愛の顔を両手でつかむシーンについて作間は「あそこで初めて愛の顔をちゃんと認識したんです。こういう顔してたんだって。たとえが心を開いたというか、そういたものがそこに詰まっているのではと思います。心から目が合うというシーンで、すごくきれいなシーンですよね。鶴が舞っていて…」と語ると、首藤監督も「たとえ君と愛ちゃんの歩み寄りというのは脚本段階でずっと悩んでいたので、たとえ君として顔を認識してくれたのは嬉しいです」と感慨深げに語った。
さらに、たとえと美雪が東京に出た後について、芋生は「美雪はこんなにやっておいて、実はずっとたとえと一緒にいる気がしないんですよね」と明かし、作間も2人の経済力を鑑み「現実的なことに直面したらね。まあ難しいですね…」と考え込むと芋生が「続編作りますか?(笑)」と提案、首藤監督も「10年後とか結構考えますよね…」とそれぞれがその後のイメージを膨らませた。
劇中でたとえが愛に「貧しい笑顔だね」と言うシーンについて、「首藤監督はもっと突き放す感じで言って欲しかったとおっしゃっていましたが、今その感じで見せていただくことは出来ますか?」という無茶ぶりに作間は「やばいのきたな…(笑)」とこぼしつつ「すごい楽しい『貧しい笑顔だな』になっちゃいますよ(笑)あのイメージのまま、皆さんお帰りください」と会場を沸かせた。また山田、作間、芋生の3人で1回だけ現場でオフで話した時があったといい、芋生は「たとえ君(作間)が『どんな顔で話していいか分からない』って言っていたのが印象的」と話すと、これに対して作間は「それは作間ですね(笑)愛と美雪が一緒になっているのも、恐かったです…」と当時の正直な心境を明かした。
最後に芋生は「上映が始まってからたくさんの方に観ていただいて、この作品がちゃんと届いているんだなと実感しています。キャスト・スタッフみんなで一緒に頑張って作った作品なので、今後も皆さんにすすめていただけたら」、作間は「いま質問いただいて、僕自身も気づいたことがあったり、観る視点を変えるだけで色々考えられる映画になっていると思います。もっとたくさんの方に観ていただけたらいいなと思っております」、首藤監督は「こういう形で直接質問を聞いて、とても丁寧に感じとっていただけているんだと大変嬉しいです。ワンカットでもワンシーンでも皆さんの記憶に残っていたら嬉しいです」とメッセージを送った。
【提供写真】
『ひらいて』は全国で公開中!
監督・脚本:首藤凜
出演:山田杏奈、作間龍斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)、芋生悠、山本浩司、河井青葉、木下あかり、板谷由夏、田中美佐子、萩原聖人
配給:ショウゲート
©綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会