鶴谷香央理の「メタモルフォーゼの縁側」を実写映画化、芦田愛菜と宮本信子が年の差58歳の親友役で出演することが決定した。

2017年に連載が始まって以降、じわじわと話題を呼び「このマンガがすごい!」「文化庁メディア芸術祭 マンガ部門」など数々の漫画賞を受賞した鶴谷香央理の漫画「メタモルフォーゼの縁側」を実写化。本作の主人公は、17歳の人付き合いが苦手な女子高生・佐山うらら。ひとりこっそりとBL漫画を読むことが毎日の楽しみ。もうひとりの主人公・市野井雪は、夫に先立たれ孤独に暮らす75歳のおばあちゃん。キレイな表紙に惹かれてジャケ買いした漫画がBLだったことをきっかけにすっかりBLに魅了される。友達も彼氏もいないBLだけが心の支えのうらら。ひとりぼっちで過ぎ去る時間に寂しさを感じる雪。そんな2人がBLをきっかけに出会う。年齢も立場も肩書きも全く違うけれど、一緒に漫画を読んで、一緒に笑って、一緒に泣いて、時には激論を交わし、BLが育む年の差58歳の女の友情。そして、BLでつながった2人の人生は、意外な方向に転がりだしていく…。

うららを演じるのは芦田愛菜。2010年に「Mother」(NTV)で脚光を浴び、以降俳優として数々の最年少記録を塗り替え、『パシフィック・リム』(13)でハリウッドデビューも果たす。近年では、連続テレビ小説「まんぷく」(NHK/18)で史上最年少の語りを務め、『星の子』(20)に主演、大河ドラマ「麒麟がくる」(NHK/20)で明智光秀の娘・たま役で出演するなど、数々の映画、ドラマ、CMなどで活躍する国民的女優。雪を演じるのは宮本信子。『お葬式』(85)で第8回日本アカデミー賞優秀主演女優賞受賞。『マルサの女』(88)ではシカゴ国際映画祭最優秀主演女優賞、第11回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、第61回キネマ旬報主演女優賞など多数受賞。近年では連続テレビ小説「ひよっこ」(NHK/17)、『いちごの唄』(19)、『STAND BY ME ドラえもん 2』(20/声の出演)、『キネマの神様』(21)など精力的に活動している。

2人の共演は芦田愛菜が第54回ブルーリボン賞新人賞を史上最年少で受賞し、宮本信子が日本アカデミー賞優秀助演女優賞と報知映画賞助演女優賞を受賞した『阪急電車~片道15分の奇跡~』(11)以来10年ぶりの2度目となる。脚本を担当したのは、連続テレビ小説「ひよっこ」(17/NHK)、「ちゅらさん」(01/NHK)、『阪急電車~片道15分の奇跡~』、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(17)など名作ドラマを数多く手掛けてきた岡田惠和。それぞれ別のさみしさを抱えたうららと雪の友情と変化を岡田が丁寧に脚本に落とし込み、「妖怪人間ベム」(NTV/11)、「奇跡の人」(NHK BS/16)、『青くて痛くて脆い』(18)などの狩山俊輔監督が美しく映像に落とし込んだ。撮影はすでに終了し、公開は来年を予定している。

芦田愛菜(うらら役)コメント

オファーを頂いたときに原作を読ませていただきました。読めば読むほどあったかくて元気になるような、愛おしくて抱きしめたくなるような作品だと思いました。
宮本さんとは10年前は孫役として共演させていただき、今回はお友達役として再びご一緒できてとても嬉しかったです。
宮本さんはご自身が納得いくまで台詞を合わせたり、現場を動かれている姿が印象的で、一緒にお芝居をさせていただくと私自身も頭で考えるのではなく自然に体が動いていき、うららの気持ちをスッと引き出していただいたような気がします。

宮本信子(雪役)コメント

最初にお話しを頂いたとき、まず「“BL”とは何のことですか?」と質問させて頂きました。
原作を読ませていただき、鶴谷さんの絵があたたかくて、やさしくて、素敵でした!隅々までいいんですもの。
雪さんも魅力的な人物なので、岡田さんが書かれた台詞と共に、少しでも雪さんに近づけたらと思いました。
お相手の愛菜さんとは10年前、おばあさんと孫として共演しました。
あの頃は私の手の中に小さな手がスッポリ入ったんです。
今回の共演は嬉しく楽しみにしておりました。

鶴谷香央理(原作)コメント

初めて企画書をいただいた時は、嬉しくてしばらく鞄に入れていました。プロット、台本といただくうちに、映画というのは、大勢の人のその場の工夫によって組み上げられ、変化していくものだと体感することができました。私が垣間見たその過程は、山あり谷ありの中でも誠実で、ひとつひとつが輝いていて、映画への憧れが大きくなるばかりでした。最後にどんな作品ができあがるのか、今から本当に楽しみです。

1巻
© 2018 Kaori Tsurutani/KADOKAWA

『メタモルフォーゼの縁側』は2022年初夏に全国で公開!
監督:狩山俊輔
出演:芦田愛菜、宮本信子
配給:日活
©2022「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会