愛を求めながら壊れていく家族の愛と再生の物語『蜜月』の追加キャストが発表された。
『MOTHER マザー』など一貫して社会的抑圧や差別を題材にした作品を生み出した脚本家・港岳彦によるオリジナル脚本を榊英雄監督が7年越しに取り組み映画化。懸命に幸せを求めながら壊れていく家族の、愛と再生の物語を描く。主演の佐津川愛美が、夫への愛のために過去の闇に対峙する女性美月を熱演。心を病んだ母への愛憎に葛藤する17歳の少女から、秘密を抱えながら夫を愛する32歳の女性を、心をゆさぶる圧巻の演技で表現する。
今回、物語にさらなる彩りと深みをもたらすキャスト陣が発表され、併せて2点の場面写真が解禁された。
美月の母五十鈴役に、第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞受賞作『淵に立つ』(16)で第71回毎日映画コンクール女優主演賞など多数の賞を受賞した演技派・筒井真理子。壊れた心を抱え、そのトラウマで狂おしいほど娘の性を憎み、ときには母の愛で慈しむ。相反する心に苦悩する母を見事に演じている。美月の義父靖男役には独特な存在感が光る俳優・板尾創路。新たな家族を幸せにしたいと“父親らしく”振舞うが心奥の情動を扱いあぐねる。
美月の義弟伊織役に、大河ドラマ『龍馬伝』で福山雅治扮する坂本龍馬の子供時代を愛嬌たっぷりに演じた濱田龍臣。中学生から青年に至る15年間、義姉をひたむきに慕い続け、その純粋さに胸をうたれる。さらに、初の大人のラブシーンにも挑戦。伊織の恋人香澄役にネクストクリエーターから引手数多な森田想。伊織の心を守るため、沈みゆく加納家を救おうと全力で立ち向かう力強い現代女性を好演。
そして、陶芸家で美月の夫哲郎役に、ジム・ジャームッシュ監督『パターソン』(16)などで日本人俳優として初めて出演作が3年連続でカンヌ国際映画祭出品となった国際派俳優・永瀬正敏。秘密を持つ妻を見守り、寡黙で静かな存在感が、観るものに“救い”と慈愛に包み込む。
筒井真理子(加納五十鈴役)コメント
映画「蜜月」の撮影は佐津川愛美さんとの濃密で忘れがたい、まさに蜜月なとても愛おしい時間でした。
内面をさらけ出すような屈折した役に対して、真っ直ぐ向き合っている彼女の姿がとても印象に残っています。
ストイックに挑んだ俳優佐津川さんの移り変わってゆく繊細な表情の変化は、ぜひ映画館の大きなスクリーンで目の当たりにしてほしいです。
この映画には言葉にできない複雑な想いが溢れています。
その感情は、心の奥にある柔らかな部分にそっと触れるものです。
不器用でぎこちなく、でも決して特別ではない一つの家族に会いに来てほしいと思います。
港岳彦さんが作り出した厳しくも優しい世界が美しい映像に昇華しています。
榊監督の作品への熱量と愛を正面から受け止めて下さい。
板尾創路(加納靖男役)コメント
家族や親子について考えさせられる映画です。
とにかく女優さん達の演技が素晴らしいです。
主演の佐津川さんの作品との向き合い方と表現力は胸を打つものがあります。
濱田龍臣(加納伊織役)コメント
今回の『蜜月』では、今までした事が無い事に挑戦させて頂いた作品でした。
複雑な家庭環境の中で育っていった伊織が抱えている様々な感情をしっかりと受け止めて全てのシーンを撮影させて頂きました。
伊織が抱えている物や、伊織の成長が少しでもスクリーン越しに見る皆様に伝われば幸いです。
森田想(香澄役)コメント
二度目の榊監督のもと、撮影前どんな画になるのかと読み込んだ港さんの脚本によって息が詰まるほど濃密な物語がこうして完成し、香澄として関われたことを光栄に思います。何よりも大好きな佐津川さんとの再演が嬉しく、
その妖美な佇まいと目の前で役として生きる姿に改めて惚れ惚れしました。
他にも敬愛する俳優さん方の映画に対する愛を近くで学べ、とても豊かな撮影の期間を過ごせました。
私も楽しみです。是非ご期待ください。
永瀬正敏(高橋哲郎役)コメント
「役者同士として現場で共に時を刻んだ榊英雄氏に
今回は監督として呼んでいただきました。
心の歪みや暗部、、、積み重ねられたそれは、まるで月が流れくる雲に覆われ、身体から伸びる微かな影も見えなくなってしまった様な主人公、、、
生と性、愛情と憎悪、濃い血の繋がりと繋がらない、家族・親子・姉弟・夫婦を描いた港岳彦氏渾身の脚本。
その世界感と美月に、そっと寄り添いながら、あの日々を生きていました。
覆っていた雲はいずれまた、風に流され美しい姿を見せるのでしょう、、、溢れ落ちた涙と共にスクリーンから離れ、その先へ向かって。」
『蜜月』は2022年春にテアトル新宿ほか全国で公開!
監督:榊英雄
出演:佐津川愛美、筒井真理子、板尾創路、濱田龍臣、森田想、永瀬正敏
配給:アークエンタテインメント
©2022「蜜月」製作委員会