長崎・軍艦島の見える街に暮らす親子の喪失と再生を描く魂の物語『軍艦少年』の本編映像が解禁された。

ヤンキー漫画のカリスマとして人気を誇る柳内大樹が想いを込めて放つ、渾身の熱き青春漫画「軍艦少年」を実写映画化した本作。気の荒い主人公・坂本海星役を演じたのは劇団EXILEのメンバーとして注目を集める佐藤寛太。失意に沈む主人公の父・坂本玄海役を演じたのは加藤雅也。また、海星の同級生・結役に山口まゆ、海星の友人・純役に濱田龍臣、玄海の幼馴染・野母崎巌役に赤井英和、海星の教師で玄海の同級生・泉役に清水美沙、海星の母で玄海の妻・坂本小百合役に大塚寧々など、フレッシュな若手俳優とベテランの実力派俳優が脇を固めている。監督を務めたのはYuki Saito。

今回解禁された本編映像は、長崎県の端島“軍艦島”の島内で撮影された超貴重な映像。大切な母を失ったことで心の拠所を失った海星(佐藤寛太)と、父・玄海(加藤雅也)。玄海の幼馴染・巌(赤井英和)に連れられて、軍艦島に上陸した海星は、巌から忘れられない島内での想い出や、廃墟となった学校の跡地に父と母が遺してきた大切な“あるもの”があることを聞かされる。巌から「お前の親父は、本当に強かったんだ。強いっていうのは、逃げないことだ。相手からとかじゃないぞ。自分自身からだ」と諭される海星。果たして父・玄海と亡き母の小百合が遺してきた“あるもの”とは―。

“喪失と再生”というテーマとリンクする意味合いからも、本作のもうひとりの主人公といえる軍艦島。その撮影許可が下りるまでには、かなりの困難を極めた。2015年に世界文化遺産に登録されたこともあり、当初は建物内に入るのは禁止。周囲のみの撮影で、神社や階段にのぼることさえも許されなかったのだ。ただ、原作は柳内氏が実際に島内をロケハンして描かれていることもあり、「なんとか、原作と同じ場所で撮影したい。そうしなければ、作品自体が嘘になってしまう……」。そんなスタッフの誠意や熱い想いが、現地のフィルムコミッションや観光課へのプレゼンを通して伝わり、2019年2月、奇跡的に建物内での撮影許可も下りることになった。

ただし、例え撮影許可が下りても、指定された日しか上陸ができなかった軍艦島。また、天候次第では上陸不可能な恐れもあるなか、先の台風が大接近。上陸できる機会が3日間あるうち、2日が流れてしまうなか、最後のチャンスに無事上陸できるという奇跡が起こった。先月開催された、長崎市の「端島炭坑」(軍艦島)の保全と活用を考えるシンポジウムにて、「余命半年程度」と予測された国内最古の鉄筋コンクリート造アパート「30号棟」の劣化も進む中、後世に遺る超貴重な本編映像となっている。

本編映像

『軍艦少年』は2021年12月10日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で公開!
監督:Yuki Saito
出演:佐藤寛太、加藤雅也、山口まゆ、濱田龍臣、柾木玲弥、一ノ瀬ワタル、花沢将人、髙橋里恩、武田一馬、赤井英和、清水美沙/大塚寧々
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2021『軍艦少年』製作委員会