唯一無二の天才には知られざる“師匠”が存在した―Netflix映画『浅草キッド』のフィーチャレット映像が解禁された。
芸人としてだけではなく、俳優、絵画などその才能は多岐にわたり、映画監督・北野武としては“世界のキタノ”と呼ばれ、まさに“唯一無二の天才”であるビートたけし。本作は、原点であり、師匠である深見千三郎と過ごした青春時代を描く。舞台は昭和40年代の浅草。大学を中退し、“ストリップとお笑いの殿堂”と呼ばれていた浅草フランス座に飛び込み、伝説の芸人・深見千三郎に弟子入りしたたけし。当時、独特な指導で、舞台上だけでなく日常生活においても芸人たる心構えを求めた深見は、東八郎、萩本欽一といった大人気芸人を育てあげていた。その深見の元、たけしは芸人としての成功を夢見て“笑い”の修行に励んでいたが、テレビの普及と共に演芸場に足を運ぶ人は減る一方…。厳しさと愛情に溢れる師匠との日々、個性と才能に溢れる仲間たちとの出会い、そして芸人・ビートたけしが誕生するまでを描いた青春ドラマ。
今回、撮影中のメイキングとそれぞれの熱い想いが収められたフィーチャレット映像が解禁された。映像では、ビートたけしを敬愛してやまない劇団ひとり監督が『青天の霹靂』(2014)で初めてメガホンをとった後、2作目に本作を選んだ理由を「どうしても『浅草キッド』を撮りたい。理由はただ一つ、僕がやりたいという事しかなくて」と強い想いを語る。そして同じく、“芸人の街”として監督の思い入れが強い昭和40年代の浅草については「僕は当初そこまで浅草の町を再現しなくて良いんじゃないかと思ってたんです。(でも)やるんだったら徹底的にやりましょうという事で、浅草ロック座の通りをオープンでセットを組んで、凄いクオリティの浅草が出来ました。びっくりしました」とセットとは思えない程の出来を称賛。
本作でも印象的なシーンで登場するタップダンスについてのメイキングが。顔が映っていないタップシーンに対して、師匠・深見を演じた大泉は「オレである意味あります?吹替だとしか思われない!」と現場に笑いを誘いつつ、得意のぼやきを炸裂。そんなタップについて大泉は「練習は大変でしたね。最初は出来るのかなと思っていたけれど、やっていくと楽しくて」と語る。タケシを演じた柳楽も「たけしさんのタップダンスの映像を見ると独特な雰囲気の格好良さがあるんです。現場に入る前に3、4か月習いましたが、本当に難しくて」とその難易度の高さに触れている。
新型コロナウイルス感染予防のため、マスクを着用しての練習の大変さに監督も舌を巻いたシーンは必見だ。また、柳楽にとって、“漫才”というもう一つの挑戦が。「ツービートのテンポ速さの練習だったり、北野武さんの話し方、特徴を松村邦洋さんに教えて頂きました。一つ一つ勉強して練習していって自分の中の怖さを消していくことの毎日でした」と、誰もが知る人物を演じることの重圧を明かした。
最後に監督は「お笑い界の神様の映画を僕は撮っちゃったわけです。僕がすごく好きな浅草の人達の生き方、美学がどれぐらい響くのかっていうのは、やっぱり怖さはあります。でも、もう作ったもん勝ちですから」と不安を抱きつつも、やりきったという自信も伺えるコメントで締めくくった。劇団ひとり監督が「他の人にだけは撮られたくない。『浅草キッド』を撮るなら自分しか居ない」と強い気持ちを寄せている本作は、多くの芸人が憧れ、芸の道へと進むきっかけとなり、今もなお影響し続けるビートたけしの誕生の物語―。
フィーチャレット映像
Netflix映画『浅草キッド』は2021年12月9日(木)よりNetflixにて全世界同時配信!
監督・脚本:劇団ひとり
出演:大泉洋、柳楽優弥、門脇麦、土屋伸之、中島歩、古澤裕介、小牧那凪、大島蓉子、尾上寛之、風間杜夫、鈴木保奈美