ミュージカル『リトルプリンス』が1月8日(土)より日比谷・シアタークリエにて開幕するのに先駆けて、公開ゲネプロと囲み取材が行われた。
大人から子供まで世界中で広く愛されているサン=テグジュペリの「星の王子様」を原作として、1993年に音楽座ミュージカルとして生まれた本作。多くの名言と共に真に大切なものとは何かを教えてくれる、不朽の名作『リトルプリンス』が東宝製作で新たにシアタークリエの舞台に登場。小さな惑星を飛び出し様々な星を旅して地球にやってきた「王子」は多くの舞台経験を持つ実力派で『レ・ミゼラブル』のコゼット役も記憶に新しい加藤梨里香と、音楽座ミュージカル初演から王子役を演じ高い評価を受けたオリジナルキャストの土居裕子がWキャストで演じる。砂漠に不時着して王子と出会う「飛行士」と、王子と仲良くなる「キツネ」の二役を井上芳雄が、王子が旅の途中で出会う「ヘビ」を繊細でダイナミックな表現力を活かしたダンスに定評があり数多くの舞台で活躍する大野幸人が、王子の星に咲くワガママで強がりな「花」を気品と美しさを兼ね備えた花總まりが演じるという、ミュージカルファン待望の豪華な顔合わせが実現した。
囲み取材に登壇したのは、加藤梨里香、土居裕子、井上芳雄、大野幸人、花總まりの5人。1993年の音楽座ミュージカル『リトルプリンス』の初演で王子役を務めていた土居は「ここでまた王子をやるとは夢にも思ってなかった。感謝の気持ちでいっぱいです」と挨拶し、「『リトル・プリンス』を(シアター・)クリエでやりたいという話があって、『(井上)芳雄さんの飛行士は絶対ピッタリだし見たい、絶対やって』って言っていて、いつの間のか『(王子役を)やらない?』って」と経緯を振り返った。
Wキャストの加藤は「王子という役は稽古すればするほど、とんでもない役だと思っていて。初演で王子をされた土居裕子さんとWっていうのは震えるくらいとんでもないことだという思い」と緊張した面持ちで明かしつつも「王子のことをたくさん考えてきた方だから、裕子さんからもらえるものがたくさんあって、こんなに心強いWの方はいないんじゃないかと。全身全霊で劇場を王子として駆け回りたいと思っています」と語った。
そんな2人の“王子”と共演する井上は「Wキャストっていっぱいありますけど、こんなに違うWキャストってなかなかないと思いますし、逆にこれがWキャストの意味だと思います。土居さんは本物の王子がやってきたという感じがしましたし、梨里香ちゃんは王子が子どもなんだっていうことを信じさせてくれる存在ですから、両極端な王子が見られる」と明かした。
また、土居は本作に出演するきっかけになったエピソードとして「井上さんが『一日でいいから出てくれない?』って。そこから入った」と話があったと言い、これに井上は「(土居が)無理やりねじ込んでくださったので、ほかの本番が(本作の)稽古の真ん中くらいまで入ってて。だから稽古期間がギュッとしてて。短期間でこれをしてるのがすごいなと」と明かした。
最後に加藤は「この作品はカンパニーのみなさんが温かくて、温かいみなさんと作ったからこそ作品にも温かさが流れていると思います。大切なものを再確認していただいたり、空を見上げていただけたらうれしいです」、土居は「星を見るのが大好きになるんじゃないかなと思います。そして地球は改めて素晴らしい星だから大切にしたいなという気持ちになるといいなと思います」とメッセージを送った。
【写真・文/編集部】
ミュージカル『リトルプリンス』は2022年1月8日(土)~31日(日)に日比谷・シアタークリエ、2月4日(金)~6日(日)に愛知・日本特殊陶業市民会館ビレッジホールにて上演!