『余命10年』のジャパンプレミアが1月24日(月)に丸の内ピカデリーで行われ、小松菜奈、坂口健太郎、山田裕貴、奈緒、黒木華、原日出子、松重豊、藤井道人監督が登壇した。

2017年の発売以来、切なすぎる小説としてSNS等で反響が広がり続け、現在50万部を突破している「余命10年」(小坂流加著/文芸社文庫NEO刊)を、『新聞記者』、『ヤクザと家族 The Family』の藤井道人監督がメガホンをとり、映画化した本作。脚本は等身大の若者のラブストーリーを描き、多くの大ヒット感動作を世に放ってきた岡田惠和、渡邉真子が担当。数万人に一人という不治の病で、余命が10年であることを知った20歳の茉莉。彼女は生きることに執着しないよう、恋だけは決してしないと心に決めていた。しかし地元の同窓会で和人と出会い、茉莉の10年は大きく動いていく…。

冒頭の挨拶では「この企画のお話をいただいてから…」と話し始めたところで感極まって涙を流しながらも、「完成できたこと、ここに立っていることをうれしく思いますし、感無量」と言葉を振り絞った。続く坂口は「宝物のような時間でした。生ききったなと。完成したものを見ても、自分でもここまで感情が溢れることがあるんだなと驚きもした」と感慨深げに振り返った。

山田は、本作を鑑賞して「ただ強く生きようって思えた作品。シンプルな気持ちでいいので、そういうものがたくさんの人に届いてくれたらいいなと願ってる」と挨拶し、奈緒は「このチームに参加できてよかった。みんなのかっこいい姿を、長い期間をかけてそばで見れるというのは自分にとっても幸運な一年でした」と撮影期間を振り返った。

夜桜が印象的だという話題になると「美しい映像を、美しい作品の中に、僕らも体を預けて撮れた。いろいろなものに、景色にも感情移入してしまう、そんな感覚もありながら撮っていました」と特別ない思いを明かした坂口。

四季の移り変わりを、約1年かけて行われたそんな印象的な撮影について「(自身が演じた)茉莉という役を演じ終えたあとは抜け殻状態だったというか…燃え尽きたなという気持ちが大きくて。すぐに次の仕事に進めないくらい不思議な時間だった。自分の人生と役の人生、2つの人生を歩み続けたのがみなさんと一緒に大切な作品を作れたのはかけがえのない宝物になりました」と振り返った小松。

さらに病状が悪化していくという役作りのために「減量を常にしていた」という小松が語ると、それを見ていた母親役の原は思わず涙ぐみ「みるみる痩せていく。途中で心配になっちゃって、終わったらおいしいもの食べに行こうねって」と撮影現場での様子を振り返った。

一方で小松や坂口、山田、奈緒ら4人でのシーンは「割と楽しいシーンが多かった」と明かす坂口。奈緒も「桜の時期には波をするとか、夏に海に行くとか、友達と一年を通して集まって遊んでいる感覚ができていた」と語った。

さらにイベントでは“これから10年間でやっておきたいこと”をフリップで回答。「断捨離」と書いた坂口は「変なメッキを自分につけちゃってるんじゃないかなと思うことが時々ある。10年後は40歳なので、それまでに手放せる力が必要だと思って。自分についてしまったメッキを捨てれる考えていたい」と語り、「日本一周」と書いた小松は「日本には底知れぬ魅力が散りばめられているので。日本は素晴らしい場所なんだぞと海外の人にも紹介できるように日本のいいところをたくさん知っていたい」と理由を語った。

【写真・文/編集部】

映画『余命10年』は2022年3月4日(金)より公開!
監督:藤井道人
出演:小松菜奈、坂口健太郎、山田裕貴、奈緒、井口理/黒木華、田中哲司、原日出子、リリー・フランキー/松重豊
配給:ワーナー・ブラザース映画
©2022映画「余命10年」製作委員会