『前科者』の公開記念舞台挨拶が1月29日(土)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、有村架純、森田剛、磯村勇斗、若葉竜也、岸善幸監督が登壇した。
原作は、香川まさひとが、罪を犯した“前科者”たちの更生・社会復帰を目指し、彼/彼女らと向き合い奮闘していく保護司の姿を描いた社会派ヒューマンドラマ。監督は『二重生活』(2016)で初めて映画監督を務め、『あゝ、荒野』(2017)では報知映画賞、日刊スポーツ映画大賞、ブルーリボン賞などで作品賞を受賞した岸善幸。主演を務めるのは有村架純。劇場公開に先駆けて、11月よりWOWOWでドラマを放送・配信。新人保護司の阿川佳代が様々な「前科者」と向き合い成長する様を描く職業ドラマとなっており、映画は佳代が保護司として現在進行形の凶悪犯罪と向き合う社会サスペンスとして制作され、映画版は完全オリジナル作品として描かれる。
本作の公開にあたって「めちゃくちゃ嬉しいです」と挨拶した森田。有村は「忘れられない2か月間だった」と撮影を振り返り、「いろんな日々を走馬灯のように思い返しながら試写を見た」と感慨深げに語った。
有村が本作で演じた保護司は「保護対象者の方に深入りせずに見守る」というルールのもとで活動しているというが、その中でも距離感の保ち方など考えさせられる部分があったようで「自分が人とかかわるときには、うまく見極める目があったらいいなと思いました」と語った有村。
劇中では森田と対峙するシーンもあった若葉は、役作りについては「すべてを理解することはできない」と明かしつつも、「森田さんと対峙したときに、自分の心がどう動くか」を大切に演じたという。一方で森田は「なんだこの人、やばいなこの人」と、若葉の演技に驚きを隠せない様子だった。
また、有村が森田をビンタするシーンについて有村は「日々を積み重ねていくと、口から出ちゃうような溢れてくる感情があった」と振り返りつつ、「ただ森田さんにビンタをするという任務だけのことしか考えられなかった。とにかく気持ちを込めてやらないとただ痛いだけになってしまうし、とにかく本気でやるぞと心に誓ってその日を迎えました」と明かした。そのビンタを受けた森田は「ものすごいものを持っていましたね。重いやつでした」と明かした。
さらに舞台挨拶では、本作のタイトルにちなんで自身が“○○者”であるかをフリップで回答。「緊張しやすい者」と書いた有村は「堂々として見えがちですけど、手汗もかきますし、撮影前は寝れないですし、常にドキドキしっぱなしです」と明かした。ここで森田はフリップ全体に描いた絵を出し、思わず若葉は「ちゃんと書いた?って言ってきて…」とツッコミ、これに森田は「『おれ何者かな?』って言ったら、この絵が出てきて…。分からないんです、おれも何者か。逆にどう思います?」と質問で返し、会場を沸かせた。
最後に有村は「この作品を見て、人を救う、人に寄り添う、人を許すということを改めて自分自身と向き合って考えていってくださる方が増えたら幸せだと思います」とメッセージを送った。
【写真・文/編集部】
『前科者』は公開中!
監督・脚本・編集:岸善幸
出演:有村架純、磯村勇斗、若葉竜也、マキタスポーツ、石橋静河、北村有起哉、宇野祥平、リリー・フランキー、木村多江/森田剛
配給:日活、WOWOW
© 2021 香川まさひと・月島冬二・小学館/映画「前科者」製作委員会