伝説のジャズシンガー、ビリー・ホリデイとFBIの対決を描いた映画『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』の特別映像が解禁された。
没後60年以上経っても強烈なカリスマ性が現代のアーティストたちに影響を与え続けているビリー・ホリデイは、執拗にFBIに追い続けられた。理由は、彼女の大ヒット曲で人種差別を告発する楽曲「奇妙な果実」を歌い続けたから…。披露したら逮捕すると脅されながらもステージに立ち続けた彼女の短くも壮絶な人生をFBIとの対決に焦点を当てて描く。主演は、本作が映画初出演となるグラミー賞ノミネート歌手のアンドラ・デイ。
今回、本編映像と共にキャスト・監督らがビリー・ホリデイについて語る特別映像が解禁された。ビリー・ホリデイを演じたアンドラ・デイが「ビリー・ホリデイは世界的スターで、公民権運動のゴッドマザーよ」と口火を切る。そして、長編2作目の『プレシャス』でアカデミー賞2部門受賞4部門ノミネートを果たし、社会派の深淵なテーマをエンターテイメントに昇華する手腕が称えられているリー・ダニエルズ監督が「ビリーの人生が衝撃的なのは、政府を敵にしたことだ。リンチの曲『奇妙な果実』を歌おうとしたが、政府に歌うなと言われた」と語る。
ビリーのバンドメンバー、レスター・ヤング役を務めたタイラー・ジェームズ・ウィリアムズは「この曲は黒人社会の“時の声”だ。唯一我々にできたのが歌をとおして訴えることだった」と、当時アメリカ合衆国で黒人がいかに圧迫されていたか、そして「奇妙な果実」がいかに重要な意味を持っていたかを話し、アンドラは「公民権運動の始祖の物語よ。ビリーは反抗して歌ったため公民権運動が盛り上がり、政府から反感を買った」と続ける。
その言葉を象徴するような出来事が本編映像で起こる。ステージ上で「奇妙な果実」を歌おうとしたビリーが、会場を取り囲む警官によって歌うことを止められ捕まりそうになる。「連邦麻薬取締局の長官アンスリンガーは、見せしめを作りたかった。それでもビリーは屈せず観衆を魅了したため、怒りを買ったんだ」と自身が演じたアンスリンガーについて語るギャレット・ヘドランド。ビリーのヘアメイク、ミス・フレディを演じたミス・ローレンスが「あの当時に、本気で対抗した人がいたんだ」と、潜入捜査官としてビリーに近づくジミー・フレッチャーを演じたトレヴァンテ・ローズが「今でも通じる話だ。黒人地位向上協会はビリーを代弁者だと語った」と、昨今現代社会に巻き起こっているBLMムーブメントにも繋がる公民権運動の<音楽的出発点>だと改めて話す。最後にリー・ダニエルズ監督が「誰もが変えられると伝えたい。ビリーが変えたのだからね」と本作に込めた強いメッセージを明かし映像は幕を閉じる。
特別映像
『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』は2022年2月11日(金)より新宿ピカデリーほか全国で公開!
監督:リー・ダニエルズ
出演:アンドラ・デイ、トレヴァンテ・ローズ、ギャレット・ヘドランド
配給:ギャガ
© 2021 BILLIE HOLIDAY FILMS, LLC.