劇場版『DEEMO サクラノオト -あなたの奏でた音が、今も響く-』のスペシャル生配信第二弾が2月5日(土)に行われ、サニア役の鬼頭明里、ロザリア役の佐倉綾音、松下周平監督、藤咲淳一総監督、吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー)が出演した。

全世界累計2,800万ダウンロードを突破する超人気音楽リズムゲーム「DEEMO」。ピアノを弾く謎の生き物“Deemo”の前に、ある日空から女の子が降ってくる。Deemoはピアノの音色によって伸びる木を成長させて女の子を元の世界に戻そうとする―。ピアノをコンセプトに据えたこのゲームは、旋律の美しいクラシックからロック・ジャズなどジャンルにとらわれないオリジナル楽曲のクオリティの高さと、緻密に計算されたリズムやメロディから得られる圧倒的な演奏感でアジア圏を中心に大ヒットを記録、世界中の音楽ゲームファンを唸らせた話題作。総監督を務めるのは藤咲淳一、監督には新進気鋭の松下周平を起用。主人公のアリスには竹達彩奈。そのほか鬼頭明里、佐倉綾音が脇を固めるほか、丹生明里(日向坂46)、濱田岳、渡辺直美、イッセー尾形、松下洸平、山寺宏一らが参加。

鬼頭が演じたサニアは、ヒロインのアリス(竹達彩奈)の隣のクラスの活発な女子高生。鬼頭は「制服もハーフパンツで髪もショートカットの明るく元気な女の子」と説明し、「あまりこういうボーイッシュな女の子(を演じたことは)あんまりなくて、役に引っ張られて、明るい子になった気になれるので、演じていて楽しかったです。私は普段、おとなしめなことが多いんですが、(サニアは)快活で、おとなしい子にも話しかけていける、憧れるような良い子です」と語る。

藤咲総監督はサニアという存在について「(『DEEMO』は)アリスあっての物語なので、アリスを支える役どころとして脚本段階で入れました」と明かし、松下監督は「アリスがおとなしめなので、バランスとして、盛り上げ役のボーイッシュなキャラクターがいると、日常シーンが華やかになると思った」と説明する。

一方、佐倉が演じたロザリアはサニアの親友で「どちらかというと、サニアよりおとなしく、後ろをついていく雰囲気です。サニアに足りないところを補っていく存在」と説明する佐倉。ロザリアについて藤咲総監督は「サニアが走りがちで、ほっといたら大変なことになるのでブレーキ役、気が付く子がいたほうが良いと思った」と語り、松下監督は「ロザリアは意外と度胸があって、行く時は行くよというキャラクター。しっかり後ろから見守っている感じ」と解説する。

佐倉は、鬼頭がサニアを演じたことについて「(鬼頭とサニアは)リンクするところがある気がします。私は、現場だと人見知りで、全くしゃべらないんですが、そんな中、明里はほぼ初対面だったのに(佐倉に)グイグイ来て(笑)そのグイグイ感がサニアに見えました。最初にキャスト表を見たときは、『(サニアとロザリアの配役が)逆じゃないかな?』と思ったんですが、実際にフタを開けてみると、こんな感じなのかなっていうのがあった」と語る。鬼頭と佐倉の2人がデュエットしている劇中歌が本作のサウンドトラックにも収録されているが、鬼頭は収録を振り返り「結構、ハモったりしてて、すっごくキレイな曲です!私が先に収録したので、綾音に『合わせてください』って感じで好きに歌いました」とニッコリ。

佐倉は、鬼頭を指して「こちらの方、歌がうまいんですよ。ドライブに行った時、後ろの席でずっと歌ってて、その生歌がすごくうまいんですよ。(完成した映画を)『良い声だな、鬼頭明里…』と思いながら観てました。鬼頭明里の声っていいんですよね、不純物がなくて。同時に(竹達)彩奈の声も最高なので、すごくいいな、この作品のこの空気と思いながら、新鮮に楽しめました」と語った。

松下監督は劇場版でどの曲を使うかという選曲について「すごく難しかったです。ゲームをプレイしてると名曲がメチャクチャあるので、その中でどの曲を選んで、どうストーリーにはめ込んでいくか?時間がかかりました」と述懐。藤咲総監督と激論を交わしながら選曲していった部分もあったようで「編集の段階で変わったりもしました」と語る。佐倉は、本作の音楽について「楽曲のクオリティが高いし、広がっていく感じで、音の持つ力って、やっぱりすごいんだなと思いました」としみじみと語った。

完成した映画について、鬼頭は改めて「物語もちゃんとあるけど、それに加えてキレイな音楽をずっと聴くことができる、耳で聴いても、目で見ても楽しめる」と熱弁。佐倉は「私は結構、涙腺がバカなほうなんですが(笑)、しっかり泣きました。『感動するんだろうな』と思ってたんですけど、そんな覚悟の上でも泣いてしまって…」と感動を口にする。さらに「私は…Deemoがすごいタイプです(笑)好きすぎて、終わった後、『どうしよう?でもDeemoの推し方がわからない…』という感じで。こんなに動いているのを見るのは初めてで『こんなふうに動くんだ?キャー!!』って感じでした。画と音楽がついてないとわからないことがたくさんあって、感動してしまいました!」と興奮気味に語った。

藤咲総監督は脚本も担当しているが、脚本家として「話を膨らませる」という仕事と、総監督として「責任をもって作品を納品する」というバランスに苦労した部分もあったようで「(総監督として)作品を世に届けたいので、自分が書いた脚本を『使えない』って切ることもやってました」と苦笑交じりで語り、さらに今回、初監督を務めた松下監督についても「初めてということで手探りの部分も多かったので、背中を押すことが多かったです。良いところは粘るところなんですけど、あきらめきれない部分をあきらめてもらうということを(総監督として)やっていました」と制作期間を振り返る。

松下監督は「粘った」部分として、Deemoのピアノ演奏のシーンに触れ「(指の動きと音を)合わせているけど、難しかった。モーションキャプチャ―的なことができそうかと思ったけど、Deemoの指が長くて、上手くいかなかったんです。でも、音楽映画なので、DEEMOという作品で、そこは逃げられないだろう、頑張りたいなと思いました」と同シーンへ思いを明かした。

最後に藤咲総監督は「長らくお待たせしましたという感じですが、できるだけ良い作品を作ろうと頑張ってきたものをようやくお届けできます。何回か観ていただいて、『DEEMO』の優しい世界を体験してもらいたいです」と語り、松下監督も「原作ゲームのファンもそうでない方も、ぜひ観ていただきたいです。音楽が素晴らしいので、ぜひ劇場にピアノコンサートを観に行くような感じで観に行っていただけたらと思います」と呼びかけた。

鬼頭は「すごく長く愛されてきたゲームがこうして映画になって、スマホで聴いてた曲を映画館で聴けて、お話も泣ける内容になっているので、ぜひ劇場に足を運んで楽しんでいただけたらと思います!」とアピール、佐倉は「世界観を見たり、PVやキービジュアルを見ていると、童話みたいでかわいくて、はかなくて、素敵な雰囲気なのかな?とだけ思うかもしれませんが、この作品はそれだけじゃなく、ラストにいくに従って、胸が苦しくなる展開があったり、壮大に展開していくので、かわいい雰囲気に騙されず、心して臨んでほしいです。全力で命を吹きこめたことを幸せに思いますし、ぜひいろんな方に観ていただきたいなっていう気持ちでいっぱいです」と力強く語った。

スペシャル生配信第二弾のアーカイブは ぽにきゃん-Anime PONY CANYON(YouTube)、
 ぽにきゃんアニメ(LINE LIVE)にて。

また、先着来場者プレゼントにシリアルコード付きオリジナルステッカーが決定した。ステッカーの裏面には「シリアルコード」が記載されており、1月13日にローンチした『DEEMO II』でシリアルコードを入力すると、劇場版にも登場している猫のキャラクター、ミライのアカウントアイコンが手に入る。

劇場版『DEEMO サクラノオト -あなたの奏でた音が、今も響く-』は2022年2月25日(金)より新宿バルト9ほか全国で公開!
出演:竹達彩奈、丹生明里(日向坂46)/鬼頭明里、佐倉綾音、濱田岳、渡辺直美、イッセー尾形、松下洸平/山寺宏一
©2021 Rayark Inc./「DEEMO THE MOVIE」製作委員会