阿部サダヲ


主演:阿部サダヲ×監督:水田伸生『アイ・アム まきもと』が9月に公開されることが決定した。

本作は、市役所の「おみおくり係」に務める<ちょっと迷惑な男>牧本壮。空気が読めない、人の話を聞かない、誰にも心を開かない。そんな牧本が孤独に亡くなった人を独自のルールに従いおみおくりしていく中、様々な人々と出会い、少し煙たがられながらも彼らの心に変化をもたらしていく。そしてそんな人々とふれ合う中で、牧本自身の無味な人生も彩られていく。牧本の”迷惑”がいつしか”無垢な気持ち”として、周囲と自らに影響を与えていくヒューマンストーリー『アイ・アム まきもと』。

監督は『舞妓Haaaan!!!』(07)、『謝罪の王様』(13)、『あやしい彼女』(16)などの映画や、TVドラマ『ゆとりですがなにか』『獣になれない私たち』等の話題作を手掛けてきた水田伸生。現代の日常に潜むリアルな問題をシニカルかつユーモラスに表現することに定評があり、本作でも身近にある普遍的なテーマを笑って泣けるエンターテインメントへと昇華させている。脚本は、岸田國士戯曲賞受賞の劇作家であり、昨今はNHK『LIFE!~人生に捧げるコント~』など映像作品に活躍の場を広げている倉持裕が担当。皮肉が効いていてユーモアに富んだセリフと登場人物への優しい眼差しが同居する、ファンタジックな物語を丁寧に紡ぎ上げる。

そして主人公・牧本壮役は、水田監督が手掛けてきた『舞妓Haaaan!!!』(07)、『なくもんか』(09)、『謝罪の王様』(13)に続き、今回4度目のタッグとなる阿部サダヲ。身寄りがなく亡くなった方を無縁墓地に弔う、小さな市役所の「おみおくり係」という役どころを超然としたたたずまいで演じる。これまで、唯一無二の存在感を放ち、シリアスな役から振り切ったコミカルな役柄まで幅広く演じてきたが、本作ではユニークな言動と行動でちょっと迷惑な存在でありながら、なぜか応援したくなる牧本を好演している。

本作は、第70回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門で監督賞を含む4賞を受賞したウベルト・パゾリーニ監督・脚本の“STILL LIFE”をベースに、本作オリジナルの新たな主人公像として、阿部サダヲ演じる強烈にユニークでオフビートなコミカルさが魅力のキャラクター“まきもと”を造形し「アイ・アム まきもと」として生まれ変わる。

阿部サダヲ(牧本壮役)コメント

台本を読んでとっても温かい気持ちになりました。おみおくり係の牧本壮という、なんとも愛おしいキャラクター。もう少し長く牧本をやっていたかったなぁ、と思いつつ撮影を終えたのを覚えています。牧本に関わる素敵なキャストの方々とロケ地(山形)の風景。久しぶりの水田組。癒されました。
ご覧になるお客様に、牧本壮の真っ直ぐ過ぎて少し迷惑かも?と思える生き様を観て、和んで頂きたいです。よろしくお願いします。

水田伸生(監督)コメント

『人を憂(うれ)うことが出来る人が優しく、人間として優(すぐ)れている』と、太宰治は書いています。
主人公「まきもと」に友人はいませんが、他者を憂うことが出来、その気持ちを行動に移せる人間なのです。
経済が幸せの指標とされて以来、「利己主義」な思考や行動が目立つ情けない世の中ですが…人間の持つ「美徳」が他者を敬い、尊重する「利他主義」だとすると「まきもと」こそ「美徳」の持ち主です。 
――阿部サダヲについて
阿部サダヲさんは、私が最も信頼する俳優のひとりです。
以前「阿部サダヲさんはどんな俳優?」という問いに「ゴム毬のような」と答えました。説明すると「手触りは柔らかく、決して人を傷つけたりしないが、強く床に投げつければ驚くほど高く飛んで行くし、いつまでも小さく弾んでいることもできる」そんな俳優なのです。演技の特性は「助走無しで跳ぶ、走高跳」の如く「観客に展開を予測させない振幅の大きな演技」この特性に加えて、今回は「シームレス」繋ぎ目のない演技を要求しました。

『アイ・アム まきもと』は2022年9月より全国で公開!
監督:水田伸生
出演:阿部サダヲ
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
©2022 映画『アイ・アム まきもと』製作委員会